第138話 魔法使いも加わって



 元メイドさんたちからは『ただでさえ機会が少ない王都なのに、さらに少なくなるのでは』と心配の声も聞こえてきたので、王都初日は全員で頑張った。

 俺たちが頑張っていると、魔法使いの三人は仲間外れ状態になり、最初に年長であったマーガレットが我慢しきれずに自ら服を脱ぎ混ざってきた。

 最年長といったが、実年齢ではなくて、女子としては……というと彼女に失礼になるから置いておいて。

 とにかくエルフがいるので、俺の中での序列といっておこう。


 彼女も初めてのはずなのに、俺はマーガレットの気持ちに精一杯答えるように丁寧に彼女を扱った。

 初めてだけあって、一回で昇天してしまいすぐにダウン。

 それを見ていた、エルフのガーネットも混ざってきた。

 そういえば年長者と言えば、ガーネットが一番年齢が上なのだが、種族の特徴のためか、あの三人の中では一番年下扱いになっていた。

 今王都の仲間も混ざった状態でもマリアンヌと同じかそれよりも幼く見る。

 経験値では圧倒的にマリアンヌの方が上だが。

 彼女も俺と初めてしてから頑張った結果だ。

 

 結局王都初日で、今まで手を出してこなかった三人全員をおいしく頂いてしまった。

 最後に混ざったケートなんか自分で痛み止めの魔法を使って積極的に混じってきた。

 なんだ、痛み止めの魔法ってあるんじゃんと思ったのだが、最中には言わないで置いた。

 俺は空気が読める男だ。


 森の中でのことで、あの最中に漏れていた音を毎夜聞かされていた彼女たちには、その気になっていたようで、無理やり聞き出したことには、テントの中で自分でしていたとか。

 かわいそうなことをしたなとは思ったのだが、知らなかったので許してほしい。

 俺はそのつもりで助けたわけでもない……あわよくばとは思ったけども。

 彼女たちからしたら、なかなかきっかけがつかめなかっただけに、一度タガが外れてしまえば王都で働いている元メイドさんたちとも遜色ないくらいに積極的に混じってきていた。


 うん。太陽が黄色い。

 翌日、流石に疲れてはいたけど仕事は仕事だ。

 すぐにバッカスさんに店に行き仕入れを済ませてから、ドースンさんにところに挨拶がてら近況の報告と奴隷の物色だ。

 あの後ドースンさんの方でも良き仕入れもないようで、俺としても食指の動く奴隷はいなかったので、すぐに店を出た。

 店に戻り、店の近況をみんなから個別に聞き取りを始める。

 別室で行った聞き取りなのだが、なぜかしら皆部屋に入ると服を脱ぎだす。

 嫌われていなかったようで、ひとまず安心なのだが、これはこれとして非常に疲れた。


 あの後聞いた話では、石鹸などの売れ行きも良く経営的には順調そのもので、ピザもどきもから揚げに並ぶヒット商品として毎日売れているそうだ。

 懸念している貴族からのちょっかいもその筋のお兄さん方からの嫌がらせもあれからはぴたりと止んでおり、元騎士がここに詰めている必要が無いとまで言われている。

 あの三人は前に一緒に旅をしたことから味をしめたのか、俺と一緒に行動を共にしたいようだ。

 確かに、そろそろ考えてもいいのかもしれない。

 用心棒はここでもモリブデンでもいれば安心あんなのだが、モリブデンには用心棒を置いてなくても問題は出ていない。

 偶々だったのかもしれないが、本来ならばそれなりに治安のよい場所での商売なのだからそうあるべきなのだ。

 王都の方がおかしかった。

 尤も、王都の原因が貴族からのものだったので、ある意味なるべくしてなったと言えるのかもしれない。


 前にバッカスさんにも言われていたのだが、そろそろ御贔屓にしてもらえる貴族を作らないとまずいかな。

 モリブデンだけならば問題はなさそうなのだが、王都で商売を続ける以上避けては通れそうにない問題だ。

 そのあたりフィットチーネさんをはじめ王都のバッカスさんとドースンさんにも相談しないといけないな。

 しかし、そうなると色々と面倒ごとにも巻き込まれそうだし、どうしよう。


 あ、お姉さん方がいた。

 彼女たちにまずは相談しよう。

 何せ王族とも太いパイプと王族の太いなにがしで繋がっているはずだし、今でも情報は持っているだろう。


 そうと決まればモリブデンに急ぎ戻ろう……って、王都従業員一同が許してくれない。


 初めての海外仕入れに出向いた関係で、いつもよりもここを訪れる間隔が開いていたんだ。

 彼女たちを満足させないと、モリブデンに帰らせてもらえない。


 おかしい。

 奴隷だから我慢して俺に抱かれていたはずなのだが、それならば俺が抱かなければ喜ぶことはあれ、俺を引き留めてまですることでもないだろうに。

 嫌悪感は抱かれてはいないだろうとは思っていたんだが、皆かなり好き物のようで、欲求を溜めていたようだ。

 子供でもできれば違うのだろうが、そういえば避妊はしていなかったがそういう魔法もありそうだ。


 まあ、今はとにかく彼女たちを慰労するしかない。


 彼女たちの慰労に3日かかった。

 途中で、新たに仲間になり、紹介のために連れてきた5人とダーナたち二人も加わりかなりサバトのような状況になったが、とにかく俺は生き残った。

 うん、太陽が黄色い。


 しかしあいつらまで加わることも無かろうに。

 一緒に移動するのだから、いくらでもというか、毎日してやるのに我慢ができなかったようだ。

 仲間外れになることを嫌った節もある。

 

 で、4日目に俺たちは王都を出た。

 今度は元騎士たち三人も加わってだ。


 流石に9人での移動は馬車を使うの以外では初めてだ。

 新たに加わった元騎士たちも含め全員が森の中の移動の経験者だから問題はなさそうだが、夜が問題だ。

 なので、流石に交代制を取らせてもらった。


 体が持たない。


 しかし、今回の移動ではそれなりに成果もあった。

 元騎士たちは皆魔法が使えなかったようなのだが、俺の持つ異能とでもいえばいいのか、あのツボ押しの目印が見えたので、使ってみると少なくとも一人に魔法が使えそうな兆候が見えたとのこと。

 これは研究の価値ありとして、色々と試しながらモリブデンに帰っていく。

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