第132話 後でスタッフがというテロップ


 

 俺はキョウカとムーランを連れて、町の中を歩いていく。

 繁華街に出てから最初に商業ギルドに向かう。

 俺は一応商売人になっているので、商業ギルドにあいさつをしてからいろいろと街の情報を仕入れることにした。

 商売物の酒の他に、新たな仲間になった彼女たちの服や日用品などを買いあさる。

 どちらもこの港町で買わないとまずいわけではないが、時間もあることだし散策デートと洒落こんだ。


 商業ギルドでも色々とものを仕入れることはできたのだが、初めての町であることもあり、散策を兼ねて店で買いたいと受付嬢におすすめの店を紹介してもらう。


 当然古着屋でも、一般庶民などが使うような店ではなく、扱い品も高価なものばかりの店を紹介されるが、別に金は持っているから問題ない。


 だが、キョウカやムーランは店に入るのだけでも恐縮してしまい、少々店先でやらかしてしまったことは反省しないといけない。

 ギルドで店のランクも教えてもらっていたのだ。

 あの時に二人にはそのあたりについて説明してから来ればよかった。


 店先で迷惑をかけたが、店の中には紹介されるだけの品ぞろえのある立派なものだった。

 店員に、二人に似合うフォーマル用と普段着用の古着を見繕ってもらった。

 ついでにダーナたちにもと思ったのだが、冒険者に向く古着は扱ってはいなかったので、今回はお預けだ。


 その後、店で普段使いの服に着替えてもらい、近くのカフェでお茶した。

 さすがに元々の素材がいい二人だけあって、少しばかり見栄えの良い服を着せたら見違えた。

 本当に美人さんだ。


 彼女たちは一般奴隷として俺に買われたことをよく理解している。

 このカッパー商業連合国でも奴隷の扱いは同じで、借金奴隷については色々と人権というかそういう感じで性的なものまでは本人の合意が無い限り守られているが犯罪奴隷には全くなくそれこそご主人様の嗜好によりかなり酷いことまでされる奴隷もいるらしい。


 少なくとも性的な奉仕はまず初めに求められることになると奴隷本人たちも理解している。

 もっとも当然の話ではあるが女性それも妙齢の女性に限られる話だが、年配や男性については主に重労働など普通嫌がられる仕事を宛がわれている。

 数は少ないそうだが、一般奴隷については犯罪奴隷と借金奴隷との中間と考えていればいいそうで、妙齢の女性については性的なことを要求されても断れない雰囲気があるし、また女性本人たちもあまりひどいことでもない限りその覚悟もある。


 当然新たに仲間に加わった二人についてもその覚悟をもって俺の元に来ているのだから、正直今の扱いに戸惑っている。

 すぐにでも犯されると考えていたようだったが、今のところとても丁寧に扱っているので、夜には閨に呼ばれるのかもしれないと微妙な空気を醸し出している。


 うん、なんかお見合いの状態のようだ。

 新たな二人の他にいつものダーナやナーシャもいるのだが、あの二人はいつも自然体でいてくれている。

 だから今のキョウカやムーランの態度が余計に際立っている。

 彼女たちからしても二人の美少女の扱いには疑問を持っているだろう。

 何せ俺はこの世界の奴隷の扱いについて全く常識を持ち合わせてない。

 まあ、奴隷の所有者もそうだが、奴隷自身も千差万別でフィットチーネさんの所のお姉さん方のような例もある。

 何せお姉さん方については貴族や王族だって敬意を払っていたくらいだ。

 まあ、どの男も筆おろしを手伝ってくれた女性には頭は上がらないだろうが、そんなところを差し引いても下手な貴族よりも扱いは上だったのだ。

 彼女たちは特別になるが、それでも奴隷を大切にする主人たちも多くいるのは事実だ。

 それでも奴隷が美人であればあるほど、また妙齢であれば少なくとも一度は抱かれている。


 今のキョウカやムーランは俺の先生の話ではまだ未経験なようで、興味と期待に少々の不安があるといった感じだ。

 これはできる限り不安を取り除くようにムードを作りできるだけ早い段階で相手をしてやらねばと考えているが、果たしてお金を出してくれた奴隷商たちよりも先に俺が頂いてもいいのだろうか。

 それが少しばかり心配にもなる。


 それこそ見合いでの初デートのような感じで街歩きを終えて夕方にはホテルに戻った。

 ホテルではすでに夕食の時間になっていたので、俺はいつものごとく女性たちを連れて食堂に入る。

 女性たちを席に着かせると、これまたひと悶着があった。

 ああ、またか。

 これにはさすがに慣れてきた。

 ダーナに頼んで彼女たち二人に説明をしてもらう。

 俺はかしずかれての食事なんか望んでいない。

 みんなで楽しくがモットーなので、こればかりは慣れてもらうしかない。

 うちは一人の例外なく全員が俺の女だ。

 あ、いや、ジンク村から預かっている子供たちは別だ。

 彼女たちは同様に預かっている男の子も含めて奴隷ではない。

 だから言うが、奴隷においてだが一人の例外なく俺は抱いているので、皆俺の女として扱っているのだ。

 問題は彼女たち二人についてだ。

 まあ、モリブデンに戻っても病院に寝泊まりするようになるので、別に抱かなくてもそれほど変な空気をかもすことはないとは思うが、あと数日をどうするかだ。

 ダーナやナーシャがおとなしく我慢してくれるはずはない。

 そうでなくとも最近は冒険に出ることが少なくなって二人を相手する時間が少なくなっていた。

 ここに来る船の中では俺がダウンしていたのでお預けだったこともあり今晩に期待しているようにも見える。


 同じ奴隷なので、見られても別に構わないからするしかないか。

 ダーナたちは他の女性たちとの絡みもあり慣れていることだし、後はなるようにしかならない。


 食事の件はどうにかダーナの説得も成功したようで、みんなで同じテーブルに着き食事を楽しんだ?楽しんだと言えるのかな。

 俺は美味しく頂いていたし、何せ美人に囲まれての食事だから楽しくないはずはなかったけど、キョウカやムーランはずいぶん固くなっていたような。

 多分あれでは食事を楽しむどころか味なども覚えていないだろう。


 で、結局その夜はどうなったかというと、ダーナとナーシャとしているうちにお二人も加わってきたので、スタッフが美味しく頂きましたというテロップが流れてきましたとさ。

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