第35話 治療という名のセクハラ
一応、体中をまさぐるのだ。
美人の背中にオイルを塗るようなものだ。
もうご褒美以外にないが、一応確認だけは取っておこう。
所詮セクハラは何をされたかではなく、誰にされたかで決まる。
後でセクハラと言われても困るので、最終確認をして言質だけは取っておかないといけない。
「分かっております。
分かっておりますが 、ほんのわずかの可能性があれば試してみたいと思います。
どうか、奴隷の身ではありますが、どうかご主人様にお願い申し上げます」
それならということで、俺はすぐに始めることにした。
流石に野営中なので、ナーシャには付近の気配を探ってもらい安全を確保しながら、ダーナをその場に寝かせて、太ももの付け根とか、胸のあたりとかに光る点をめがけて親指を立てて、刺激を与えた。
初めはびっくりした表情をしていたダーナだが、俺の為されるままに俺の治療?を受けている。
治療という名のセクハラを受けているダーナだが、徐々にだが表情に変化が出て来た。
顔を紅潮させてきて、時々我慢しきれなかったのか、悩ましいため息などを出してくる。
それを聞く度に俺の息子は一々反応し始めるが、そこはまだ我慢だ。
俺もそうだが、ダーナが体中に汗をかいてきたので、今日のところは終わりにする。
「どうも、一日では良くならないらしい」
俺はそう言って、ダーナをもう一度舐めるように観察した。
もう、これの行為はスケベおやじそのもので、絶対にセクハラで訴えられそうなものだが、ダーナには治療と言ってある。
これが日本人なら直ぐにでも警察に訴えられそうだが、ここは異世界。
しかもうるさい人権団体などいない世界だ。
ダーナの方もそれは覚悟していたのか、息も絶え絶えになっているが、俺にお礼を言ってきた。
「では、何度でも治療をしてくださるので」
「ああ、ここまで来たら最後まで付き合うよ。
それに良くは分からないが、さっきまで見えていた光る点だが、強く光り出したものもあれば消えたものもあるし、何より別な場所にも見えて来たような気がするから、これは気長にやっていくしかないな」
「ご主人様?
ナーシャには。
ナーシャにはして頂けないのですか」
「ナーシャには要らないだろう。
そもそも、ナーシャには光る点なんか見えないしな」
「何かズルいような気がします」
「ズルいも何にも、これは治療だよ」
どうもナーシャが焼きもちを焼いているようなので、俺はナーシャの頭をなでながらそんなことを言って、宥めた。
今度、ブラシを手に入れて、ナーシャの尻尾などをブラッシングしてみよう。
そうすれば少しはナーシャの気もおさまるだろう。
しかし、失敗したな。
俺はダーナを治療?していた時に初めて気が付いたが、ダーナの足から少しの血が出ていた。
靴擦れのようだったが、何もダーナが軟(やわ)だった訳では無く、靴が悪かっただけの話だ。
俺は今見ている物が靴と呼べるものならばの話だが。
そう、あまりに慌てて王都を出たために、ダーナの旅装備が全くなっていない。
オークションに出品された状態で、オークション会場から連れ出すときに適当な靴を与えられただけのものだ。
サンダルと言えなくもないが、はっきり言って時代劇に出て来るわらじよりも貧相なものだった。
そのためにかなり壊れかけており、明日はしばらくの間、下手をすると裸足で歩かせることになる。
本当に失敗したのだ。
まあ、この日は俺の持っている水を使い、簡単にナーシャやダーナの汗を拭いてやりそのまま寝ることにした。
翌朝、日が昇る前から俺たちは活動を始めた。
売れ残りと云うよりも、あまりに多く抱えているために全部が王都で捌ききれなかったアポーの実を三人で仲良く食べた後にモリブデンに向かい歩き出した。
昼前、まだ朝と言ってもいい位の時間に王都に一番近い村に着くことができた。
ここ辺りで、ダーナの履いていた靴は限界を迎えた。
ここまでもったことに俺は感謝した。
元々昨日、俺の失敗に気が付いた時から考えていたことで、ここでダーナの装備を揃えることにした。
小さな村だが、この街道を通って王都に来る旅人はこの村に寄ることになる。
そのために、そういった旅人相手の商いが盛んな村で、町に匹敵するくらいの活気があるが、品揃えは流石に王都には敵わない。
だが、俺はそれでも構わない。
初心者用の装備を揃える分には全く問題がない。
それよりもメリットの方がこちらの方が大きい。
王都では品ぞろえが豊富だが、良いものが多く、コスト高になりやすい。
元々人が多く居住する王都だけあって物価がどこよりも高い。
物価が高いと言われているモリブデンよりも総じて1.2倍くらいの物価になっている。
元々小市民で経済感覚が発達している俺にとってはこっちの方が安心して物が買える。
早速、俺たちはこの村にある冒険者ギルドに向かい、そこで初心者用の装備を揃えるためにお勧めの店を紹介してもらった。
ほとんどが中古品になるが、それでも割と質の良いものがそろっている店だった。
ダーナは弓が使えるということなので、ダーナに自分が使う弓を選ばせ、服なども買いあさった。
その後は、少し早くはあるが軽く飯を食べ、街道を旅するための食料品などを買い、旅を続けた。
村を昼前に出ることができたので、俺たちは少し移動のペースを上げて行く。
できれば次の村までは行きたいと考えていたのだ。
流石にあの悩ましい声を出す治療をするのに魔物におびえながらでは集中して楽しめない、もとい、治療できない。
幸い、俺たちは俺のアイテムボックスのおかげで手ぶらで移動できるので、通常の旅人よりもはるかに速い速度で移動ができる。
辛うじて日のあるうちに目標としていた次の村に着くことができた。
主要街道上にある村なので、冒険者ギルドが無くても、宿だけはそれなりの数はある村だ。
俺は少し高めの宿を選び一部屋に集まって泊まることにした。
当然この日も食事の後から治療?だ。
ダーナは流石に昨日のことがあるので顔を赤らめてはいるが、いやな顔は一切なく俺の治療になされるままだった。
当然すぐにあの声が。
そうなると俺も乗って来る。
次々に光るツボを刺激していく。
最後に大声を発したかと思うと大きく体を震わせてダーナは果てた。
今日は幸いにも隣の部屋には誰もいなかったようで、隣からクレームが付くことは無かったが、もし隣に一人者でもいようものなら、壁を叩かれてクレームが入ったことだろう。
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