コント用台本『ンンビィィンポオォォォォーーーーン』

ちゃんちゃらめ

コント用台本『ンンビィィンポオォォォォーーーーン』


登場人物

・おっさん・・・似非関西弁で話すおっさん。入店音がうるさい人

・店の店員・・・男。入店音がうるさい人。


おっさん

「あ~、出張ではるばるここまで来たけど・・・・・・もうペットボトルも空やな。ここ駅なんやし外出ればコンビニくらいすぐ見つかるやろ」


おっさん

「おっ、あったあった」


店の店員

「ンンビィィンポオォォォォーーーーン」


おっさん

「どぅえぇぇい、うるさ! おい、バイトの兄ちゃん、なんや今の?」


店の店員

「今のですか、あれは入店音です」


おっさん

「入店音?」


店の店員

「はい、少し前にスピーカーが壊れまして、今はバイトが入店音やるようにしてます」


おっさん

「意味わからん。ま、まぁええわ。今お茶取ってくるからレジで待っとってな」


店の店員

「はい、待ってます」


おっさん

「お茶はぁ~と、ああ、これこれ。今日はもうホテル行くだけやし、ビールもいっとくか」


おっさん

「ほい、兄ちゃん。ちょっと遅くなったけどいろいろ買うから許してくれや」


店の店員

「いえいえ。では、お茶が1点、ビールが3点、おつまみのスルメですかいいですね~」


おっさん

「そ~やろ、やっぱりつまみは・・・・・・」


店の店員

「あ~、ちょっと待っててください。ンンビィィンポオォォォォーーーーン」


おっさん

「いや、会計中までやらんで・・・・・・」


店の店員

「あっ、また待っててください。ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン・・・・・・ハア、ハァ」


おっさん

「まとめて入ってきたなら一回でええやん。なんで人数分言うねん」


店の店員

「それが、ポリシーなんで。それと、お会計 1310 円になります」


おっさん

「なんやこいつ・・・・・・まあええわ。1310 円ね。ほいこれちょうど」 


店の店員

「ちょうどですねお預かりいたします」


SE:レジ切る


店の店員

「では、こちらレシートになります」


おっさん

「おう、ありがとな。じゃ」


店の店員

「お買い上げありが・・・・・・ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン」


おっさん

「ほんま変なコンビニやったな・・・・・・でも、なんかおもろいし邪魔にならんとこでもうちょい見てたろ」


店の店員

「こちらの商品ですね。カップラーメンが2点、ポテトチップスが1て・・・ンンビィィンポオォォォォーーーーン」


おっさん

「うわ、やっぱりや。また叫んでる」


店の店員

「ではこちら、全部で 784 円のお買い上げになりンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン。ハァ、ハァ」


おっさん

「もう、死にそうやん」


店の店員

「お買い上げありがとうございました。お次のお客様どうぞ~」


おっさん

「ていうか、なんでずっとワンオペやねん。他にバイトおらんのか?今そこそこ忙しいぞ!」


店の店員

「全部で 3287 円のお買い上げになります。お支払いは? バーコード決済ですね・・・・・・ではスマホの画面をこちらに、ペイ! ペイ!!」


おっさん

「そっちも壊れてたぁ・・・・・・入り口だけやのうてレジの方も壊れてる!!」


おっさん

「でも、やっとレジ空いてきたな・・・・・・おい、バイトの人」


店の店員「・・・・・・ハァ、ハァ。あっ、さっきのお客さん。追加で何かお買い上げで?」


おっさん

「あ~、買うものは無いんやけど・・・・・・その、他にバイトおらんのか? おるんなら、その子呼んで隣のレジも動かせばええやん」


店の店員

「いや~それが仕事始まるギリギリに『コロナかかってた』って連絡もらいましてね」


おっさん

「あ~、それはお気の毒やな」


店の店員

「はい・・・・・・ンンビィィンポオォォォォーーーーン。そんなわけで今は一人なんです。でももうちょっとしたら緊急で店長が来てくれるはずなんで」


おっさん

「あ~あ、それなら大丈夫そうやな。でも、来るまでは大変そうやし、なんか手伝おか?」


店の店員

「ほんとですか!じゃあ、入店音お願いします」


おっさん

「いや、それはちょっと・・・・・・」


店の店員

「大丈夫です。僕と一緒に練習しましょう。今なら列に並ぶ人もいませんし練習しましょう・・・・・・ほら、新しいお客さんが来ました」


おっさん

「あ、いや、その、そういうんじゃなくてやな・・・・・・」


店の店員

「せーの」


おっさん・店の店員

「「ンンビィィンポオォォォォーーーーン」」


店の店員「いいですね。ナイス入店音。今度はもっと口を大きく開けてやりましょう。ほら次のお客さんが来ました。せーの」


おっさん

「ちょ、待ってく……」


おっさん・店の店員

「「ンンビィィンポオォォォォーーーーン」」


店の店員

「いいです。いいです。あともう少しですよ。才能ありますよ! 次はもっと腹から声を出しましょう」


おっさん

「そ、そうやろか?」褒められてまんざらでもない


店の店員

「来ました。せーの」


おっさん・店の店員

「「ンンビィィンポオォォォォーーーーン」」


店の店員

「最高です! もう、お客様が一人なら余裕ですね。ですが・・・・・・」


おっさん

「ふふ、わぁっとる。『お客さんの同時入店』、だろ」キラッ


店の店員

「そうです。これが出来なければ入店音係は任せられません。ちょうど来ました。あ、あれは・・・・・・ご、5 人組。ここは僕だけで」


おっさん

「大丈夫や。俺ならやれる!!」


店の店員

「固い決意。分かりました。では・・・せーの」


おっさん・店の店員

「「ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン」」


店の店員

「まさか、いきなり 5 人連続を決めるなんて!! 入店音係、お願いします」


おっさん「ああ、任せろ」


店の店員

「頼もしい!! 僕はしばらく、レジに専念します。喉後休まり次第加勢しますね!・・・・・・はい、こちらお買い上げですね。おにぎりが 2 点、ジュースが 1 点・・・・・・」


おっさん

「よっしゃやったる!5 連続入店音を決めた俺に敵などない。・・・・・・来たな!・・・・・・ンンンンンンビィィィィィンポオォォォォォォォーーーーーーン」


店の店員

「あっ、店長。はよざいま~す」

おっさん盛大にコケる


おっさん

「あれ、店長! はっず!!! 俺、恥ずぅぅ!!!」


店の店員

「手伝ってくれたお客さ~ん、頭抱えてどうしました~」


おっさん

「ぐふっ・・・・・・い、いや何でもない。とりあえず応援も来たんやし二人いれば大丈夫やな」


店の店員

「ですね~、あっ、店長さん。はい、いつものですね」


おっさん

「お、おい。いいのか!? あの人、私服で外行っちまったぞ!!!」


店の店員

「あれはいつもの煙草タイムですね。店長さん、ヘビースモーカーなんで」


おっさん

「いやいやいやいや、もう店内結構客だらけやぞ。すぐ働いてくれって俺が」


店の店員

「ダメです。店長の煙草を邪魔すると・・・・・・」神妙な口調


おっさん

「じゃ、邪魔すると・・・・・・」ゴクリと唾を飲む

店の店員

「手足を、あっ!お客さん、ンンビィィンポオォォォォーーーーン」


おっさん

「うぉおい、手足がどうなるん…ンンビィィンポオォォォォーーーーン」


店の店員

「ええ、ですから手足がンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン」


おっさん

「だからその続きをンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン」


店の店員

「あ・・・・・・、完全に帰宅ラッシュですね。もうほとんどンンビィィンポオォォォォーーーーン、喋れなンンビィィンポオォォォォーーーーン。あ、どうも。こちらアイスが 2 点でンンビィィンポオォォォォーーーーン」


おっさん

「ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン・・・・・・ん?なんやこの音?」


店の店員

「これは、事務所に置いてある電話の音!ンンビィィンポオォォォォーーーーン、すみません。対応しないといけないんで、ここ変わってンンビィィンポオォォォォーーーーン、ください」


おっさん

「いや、俺やり方、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、わからん」


店の店員

「大丈夫です。ンンビィィンポオォォォォーーーーン、さっきまでずっと入店音を叫びながらここでンンビィィンポオォォォォーーーーン、私と喋っていたお客さんなら出来まンンビィィンポオォォォォーーーーン。では、行ってきます」


おっさん

「そんな、待っンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン。レジ変わりました。ええ、ジュースが1点、お弁当は1点、缶コーヒーが 2 点で 1080 円にンンビィィンポオォォォォーーーーン。やれてとる。俺意外とやれとる!!お次のお客様どうぞ」


おっさん

「メビ〇スロング 8 ミリ? すみません番号でンンビィィンポオォォォォーーーーン。はい 127 番ですね。こちら1点で 580 円となります。お支払いは? バーコードンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン・・・・・・ではスマホの画面をこちらに…ペイ!ペイ! ハァ、ハァ。ンンビィィン、違う店長さんが戻ってきた。あ、お会計 3260 円になります。よし、店長さん事務所行った!! よし制服着てはよこっちに、あっ、出てきた。まだ私服・・・・・・手には、電子タバコやないかンンビィィンポオォォォォーーーーン。はい、お買い上げありがとうございます。支払いはバーコードで、ペイ!ペイ!」


おっさん

「店長また煙草吸いにいってもうた。ああ、声かすれてきた・・・・・・あいつはまだ電話終わらんのンンビィィンポオォォォォーーーーン、はい、こちら、冷凍食品が 5 点と雑貨が 2 点で 2450 円となります。ンンビィィンポオォォォォーーーーン、支払いは・・・現金で。はい、3000 円お預かりします。お釣りがンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン。550 円お返しになります。……店長が知らん間に列並んでくれてる。ほら、見て、小汚いおっさんがレジ打ってます。はよ、制服着て変わって・・・よし、よし!店長こっち来た!さあ、俺を追い出せ! レジ変わってくれ!!・・・・・・キャ〇ル ベリーカプセル 5 ミリ……店長!?あんたええんか!? 雇ってない奴から煙草買ってまた吸いに行くんか!? あと番号で、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン、ンンビィィンポオォォォォーーーーン。ペイ!ペイ! ああ、煙草買って出て行ってもうた。ゴホッ、ゴホッ。もう喉が限界や・・・・・・」


店の店員

「お待たせしました~。電話終わりましたよ〜」


おっさん

「や、やっとかい・・・・・・そ、それでこんなに長々となんのゴホッ、ゴホッ、電話やったんや」



店の店員

「クレームでした」


おっさん

「やっぱり奇声を上げる店員がうるさいからか?」


店の店員

「いえ、店に入ったら『いらっしゃいませ』を言って欲しいそうです」


おっさん

「ンンン………」


店の店員

「あっ、お客さん」ボソッ


おっさん

「いぃぃぃらっしゃいませぇぇぇぇーー!!!!」おっさんが絶叫して終わり。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コント用台本『ンンビィィンポオォォォォーーーーン』 ちゃんちゃらめ @tyantyarame

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ