第4話
「今塚です」
お見合いの相手はやさしそうな声で
そういうと、芳美ママに
出された和菓子とお茶をものの見事に
五つと六杯飲み干した。
「おなかすいてたんですか」
とわたしは少し間の抜けた
質問をしてみたの。
「ええ、一週間ほどほぼほぼなにも
食べてなかったもんで」
って、よく生きてたわねえ!
「あの、お仕事は何を?」
わたしは参議院定例質問会議のような
決まり切った質問をしてみた。
「はあ、ありませんん」
ゲッ、無職。
「いっいえ、少し、変わった仕事をしておりまして」
「いかような」
「結婚詐欺。いっ、いえ、けっこう鷺などを
あやつぅて」
「鵜飼いみたいなもんですか」
「そうそうそれです」
どうも怪しい。
ズバリ好みのタイプなんだけどねえ。
まさかダメンズになるか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます