第4話

「今塚です」

お見合いの相手はやさしそうな声で

そういうと、芳美ママに

出された和菓子とお茶をものの見事に

五つと六杯飲み干した。

「おなかすいてたんですか」

とわたしは少し間の抜けた

質問をしてみたの。

「ええ、一週間ほどほぼほぼなにも

食べてなかったもんで」

って、よく生きてたわねえ!

「あの、お仕事は何を?」

わたしは参議院定例質問会議のような

決まり切った質問をしてみた。

「はあ、ありませんん」

ゲッ、無職。

「いっいえ、少し、変わった仕事をしておりまして」

「いかような」

「結婚詐欺。いっ、いえ、けっこう鷺などを

あやつぅて」

「鵜飼いみたいなもんですか」

「そうそうそれです」

どうも怪しい。

ズバリ好みのタイプなんだけどねえ。

まさかダメンズになるか?

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