第5話 測定 (領内動乱編5)

「では中に戻るぞ。」

「…はい。」

幸は事態がよく分からないまま、先程いた、大広間に戻った。

「あの…すみません。詳細が分からないのですが…。」

「ああ、そうだな。貴殿は異界人であったな、すまない。実は私はここの先代領主、つまり、私の父から許可を得て龍達が集団で生活している龍の巣に修行の為にいたことがあってなその関係であの黄金のグレイト・ドラゴン様とは関わりがあるのだ。」

「成程、そういう事でしたか!」

「そうなのだ。それで…本題なのだが…。」

「はい。」

「これから君には修行してもらう。」

「修行…?何をするんですか…?」

「…まずは闘気を感じることからだ。」

「闘気…?それは何ですか…?」

「分かっていた事だが…そこからか…。」

「タケ、説明を頼む。」

「承知しました。」

「宜しいですか、“闘気”とはこの世界の人間が生まれながらに備わっているエネルギーを闘気と言うのです。」

「成程。別の世界から来た俺にも備わっているのでしょうか?」

「はい。それは貴方の様な異界人であっても、備わっています。」

「そうですか…。(良かった…。)」

「…ではカグツチ様、お話の続きを。」

「うむ。感謝するぞ、タケよ。」

「はい、ありがとうございます。では、失礼致します。」

「うむ。」

タケと言われた使用人は大広間から退室した。

「さて。先程のタケの説明で闘気については理解したな?」

「はい。」

「では、今度こそ、修行の話に入ろう。」

「分かりました。それで、修行とはまず、何をすれば…?」

「それは私に付いてくれば分かる。」

「…?はあ、分かりました。」

そう言ってカグツチ公は幸を連れて大広間から出て何処かに案内した。

 カグツチ公が幸を連れて来たのは他の部屋の扉より一回り大きく、重そうな扉だった。

 その重そうな扉には近未来的な認証システムの板にカグツチ公は右手を触れると『ゴゴゴゴ…』と、重そうな音と共に重そうな扉が横に開いた。

「さあ、ここだ。」と、カグツチ公に言われて中に入るとそこには綺麗に清掃されており、周りに絵画等の価値の高そうな物が立て掛けられていた。

「…」

「そんなところで呆けず、ここへ来るのだ。」

と、カグツチ公は自身が座っている椅子の前にある机を叩いた。

「…!はい。」

  幸は机の前まで歩を進めた。

カグツチ公は幸が机の前にまで来たのを確認すると、何やらソフトボールくらいの大きさの水晶を取り出して机の上に置いた。

「それじゃ、これを持ってくれ。」

「えっと…。透明ですが、これはどういう?」

「まあ、落ち着け。今から説明する。これは“気闘球(きとうきゅう)”と言って、この水晶を持った者の闘気を純粋なパワーとランクを其々色と数字として表示するものだ。」

「成程。これで俺の今の強さが分かるってことですね。」

「そう言うことだ。それじゃ、持ってくれ。」

「分かりました。」

幸はカグツチ公に言われ、気闘球を持った。

「持ちましたけど、この後どうすれば?」

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