第2話 転移先は田舎でした。 (領内動乱編2)

「そうですか、取り敢えずご子息に会わせて下さい。」

「先に言っておくが、問題児なんだ。潰されないようにな。」

「分かりました。」

そして、ジャック邸を出るとそこにはとても長閑な景色が広がっていた。

 「おやめ下さい!ホムラさま!」

と何やら、使用人と誰かが揉めている様だ。

 「あそこで使用人と何やら揉めているのは…?」

「恥ずかしながら私の息子のホムラだ」

「初めまして、ホムラくん…で良いのかな?」

「くん、じゃないだろ!僕は父さんの息子。つまり、領主の跡取りだぞ!もっと頭を下げろ!」

「すまないが、何があったのか教えてくれないか?」

 「はい。実はですね…」

「何っ!それは本当かっ⁈」

 「はい、事実です…」

「…?」

俺達はホムラくんを連れてもう一度大広間に戻ってきた。

「ホムラ。私はお前を甘やかし過ぎた様だな、残念だ…。」

「父さん、何を言っているの?」

「お前を領主の後継者候補から除外する‼︎」

「…何で!何でだよ‼︎」

「お前自身、よく分かっているだろう?」

 ホムラくんは何が悪かったのか心当たりがないようだ。

 「分からないか…。まぁ、血の繋がった家族であるから…奴隷落ちにはしないが、お前を5年間地下牢に投獄し、監禁。そして5年後。15才になったら即この領主邸から弾き出し、平民とする‼︎」

「はぁ⁈訳が分からない‼︎僕は父さんに迷惑なんてかけてないだろ‼︎僕は父さんの為に頑張って来たのに…」

「はあ…自覚がないとは。本っ当にっ愚かな息子だ。お前達今、言った通りだ。ホムラを捕縛し、地下牢へ連れて行け…」

「はあ?訳分からねぇよ!何故だ!俺は親父の為に尽くしてきたのに…どうしてなんだよ‼︎」

 こうして…カグツチ公のご子息・ホムラくんは衛兵に取り押さえられ、地下牢へと投獄された。

 「さて…本人もいなくなったことだし、あの愚息の悪行を話そう…。」

 カグツチ公は暗い雰囲気でゆっくりと話し始めた…

 「ホムラは最初、とても礼儀正しく、同世代の見本となる者で私自身そんな息子を誇りに思っていたのだが…しかし、今から4年前、あいつはここの特産品の一つ、魔法のアイテム。そうだな…この世界で魔道具と言われている物の中でも貴重な魔法アラームの倉庫に侵入し、輸出分1500のうち、5分の1の300を破壊したのだ。」

 「確かに悪行ですね…それもかなりの」

「そう思うだろう?だが、これだけではないのだ…」

「と言うと…?」

「その後、月1のペースで果樹園に侵入してはオレンジ等のフルーツを少し盗み食うと言った小さな悪戯のようなことをしては全て自分の取り巻きに責任を持たせていたらしいのだが…」

「だが…どうしました?」



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