第6話 本当の終わり

 力がみなぎり、気づけば宗次は立ち上がっていた。

 そして宗次はその辺の空間を掴んで引き裂く。すると、眩い蓮の花が咲いたあの空間へ戻った。

 宗次は真ん中に浮いている白い魂に向かって全速力で走り出す。

 一気に距離を詰めて魂まで近づくと、宗次は左手で魂を鷲掴みにした。


「行曹!」


 左腕から青い炎が出現し、あっという間に魂へ燃え移る。


「もう二度と、蘇るな――――――――――――!」


 魂が悲鳴に似た音を立てて崩れていく。宗次は火力をあげて魂を粉々にした。

 仏像、覚醒者が宙に浮いてから357秒後のことだった。



 次に目覚めた時、宗次は山の中で6人の僧侶含めた大勢の人達に見守られていた。


「目が覚めたぞ!」


 大勢による歓声が沸き上がる。

 宗次は上半身を起こす。すると、どこか遠くでも歓声が聞こえた。

  透き通った青い空を含めた美しい風景、そして誰も死ななかったという事実。

 それは、仏像すなわち覚醒者を倒し、元凶の行曹を倒したことを示していた。

 そのことを理解した時、宗次は大泣きする。


 やっとこれで終わったのだ。全てが、終わった……


 宗次は声が枯れるまで泣き続けた。

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