3年前に離婚したのに、頻繁に家に来る元妻
春風秋雄
俺と美佐枝は3年前に離婚した
「孝太、シチューの残りはタッパーに入れて、冷凍庫に入れておいたからね」
帰り際に美佐枝が俺にそう声をかける。
「いつもありがとう」
「じゃあ、またね」
美佐枝はそう言って玄関を出て行った。
美佐枝は俺の元妻だ。別れて3年になる元妻が、こうやって度々家に来て、食事を作ってくれるのは、世間一般から考えれば不思議なことだろう。しかし、その不思議な関係が3年経っても続いている。もともと離婚の理由は、どちらかが相手を嫌いになったからというわけではなかった。美佐枝が他人と一緒に住むことに息苦しさを感じると言い出したからだ。美佐枝は母子家庭で育ち、母親は夜遅くまで働いていたので、いつも家では一人で過ごしていたそうだ。社会人になって、独り立ちしてからも一人で暮らしていた。何度か友人を家に泊めたことがあったが、その時も息苦しさを感じ、そのうち他人を家に泊めないようにしたということだ。俺と結婚する時に、その不安を口にしてはいたが、二人は愛し合っていたので、結婚することに同意してくれた。しかし、1年も経つと、美佐枝はうつ状態に陥った。そのうち、家に帰らず、実家の母親のところに泊ることが多くなった。1日や2日程度であれば、それほど感じないが、それが長期間になると息苦しくなるということだったので、俺はもう一部屋借りて、週末婚にしようかと提案した。しかし美佐枝は、そんなことをこれから何十年も続けられないといって、離婚しようと言い出した。半年くらい話し合った結果、俺たちは2年足らずの婚姻生活に終止符を打ち、離婚することになった。美佐枝は離婚すると、星原姓から旧姓の山本姓に戻した。美佐枝としてのケジメだったのかもしれない。籍は抜いても、俺たちはちょくちょく会い、一緒に映画にも行くし、アーティストのLIVEにも行く。そして俺の家で一緒に夕食を食べることも度々ある。そんな関係が3年続いているということだ。
俺は美佐枝に一緒に暮らさなくてもいいから、もう一度結婚しようと何回も提案した。その度に美佐枝は俺に言った。
「孝太はまだ32歳なのだから、ちゃんと一緒に暮らしてくれる良い人を見つけなよ」
と言って取り合わなかった。
美佐枝は俺より2つ下の30歳だ。これからの長い人生を独り身で過ごすつもりのようだ。
仕事の関係で、プロ野球の観戦チケットを3枚もらった。俺が贔屓にしているチームのホームゲームで、一塁側の内野席チケットだった。俺は美佐枝に連絡してみた。
「内野席?本当?行きたい」
「チケットは3枚あるから、美佐枝の友達で興味ある人がいれば誘っていいよ」
「孝太の方で誰か誘う人いないの?」
「社内で希望者を募ったけど、誰もいなかったから3枚とも俺がもらったんだ」
「わかった。ちょっと心当たりがあるから誘ってみる」
試合当日、待ち合わせ場所に美佐枝は一人の女性を連れてきた。西口瑠衣さんだと美佐枝が紹介してくれた。美佐枝が通っている美容院の美容師だということだ。目がクリクリと大きく、とても可愛らしい顔をした女性だ。美佐枝よりも若そうなので、20代後半といった感じだろうか。
球場の入り口で、3つ並んだ席の一番端の席のチケットを俺の分にして、残りの2枚を美佐枝に渡した。美佐枝が俺の席の番号を確認してから1枚を西口さんに渡す。球場内に入って、俺が席に座ると、その隣に西口さんが座った。美佐枝はその向こう側の席に立っている。
「私がここでいいのですか?山本さんがここの方が良いのじゃないですか?」
西口さんが慌てたように言うと、美佐枝は「いいよ。今日はそこに座って」と言って、自分のチケットの番号の席にドカッと腰を下ろした。
あいつ、何を考えているのだろう?と、俺は少し気になったが、目の前で俺の好きな選手がキャッチボールをしていたので、そちらに気を取られた。
試合が始まると、売店で買ってきたフライドポテトをつまみにビールを飲む。3人とも同じチームのファンだったので、応援するチームがヒットを打つたびに周りの観客と一緒に手を叩いて声援を送った。
7回裏の攻撃のとき、西口さんがファンだと言う選手が打席に入った。ビールの酔いも回ってきて、西口さんが大声で声援を送る。すると、その選手の打ったファールボールが内野席に飛んできた。ボールの行方を追っていると、そのボールは俺たちの方へ飛んでくる。
「危ない!」
とっさに俺は西口さんを庇って抱き、片手でそのボールをキャッチした。西口さんは俺の腕の中で、何が起きたかわからないようだった。周りの観客から拍手が起きた。俺はキャッチしたボールを掲げて周りの観客の拍手に応えた。
「大丈夫だった?」
俺が西口さんに言うと、
「ありがとうございます。もう少しで当たるところでした」
「これ、あの選手が打ったボールだから、記念に持って帰りなさい」
俺はそう言ってボールを西口さんに渡した。
「いいのですか?」
「いいよ。こんなこと、めったにあることではないから」
向こうの席で美佐枝が笑みを浮かべて俺たちを見ていた。
贔屓のチームが快勝して、俺たちは上機嫌で球場を出た。
「孝太、何か食べて行こうか?」
美佐枝が誘ってきた。どうやら、最初から西口さんと終わった後に何か食べに行く約束をしていたようだ。
「いいよ。何食べる?」
美佐枝達が連れて行ってくれたのは、カジュアルなイタリアンレストランだった。男同士ではとても選ばない店だった。
ピザをかじりながら、美佐枝は西口さんがとても優秀な美容師だと言うことを力説していた。カットの腕はもちろんだが、会話も楽しく、色々勉強もしていて、毎回美容院へ行くのが楽しみだということだ。美佐枝にそんなことを言われて、西口さんは照れまくっていたが、その表情はとても可愛かった。
家に帰って、しばらくすると美佐枝から電話がかかってきた。
「今日はありがとう。野球観戦なんて久しぶりだったから、楽しかったわ」
「どういたしまして。また機会があれば誘うよ」
「ねえ、西口さんどうだった?」
「どうだったとは?」
「私、孝太にお似合いじゃないかなと思うの」
「何だよ、それ」
「孝太も、もうそろそろ新しい人を見つけたらいいんじゃないかと思ってね」
「俺のことは放っておいてくれたらいいよ」
「いいじゃない。今度、また三人で食事でもしましょう」
美佐枝はそう言って電話を切った。
野球観戦から1週間もしないうちに美佐枝は俺を食事に誘ってきた。当然西口さんと三人での食事ということだ。週末だが特に用事もなかった俺は、その誘いに応じることにした。
当日連れていかれたのは、ビルの屋上でやっているビアガーデンだった。飲み放題・食べ放題の料金設定らしい。
丸テーブルに3人で腰掛ける。ジョッキを掲げ乾杯をしてから、美佐枝が次から次へと食べ物をとってきた。西口さんが手伝おうとすると、美佐枝はそれを制して、「あなたは孝太の相手をしていて」と言って、一人で動き回っていた。
しばらくすると、セミプロなのか、まったくのアマチュアなのかわからないバンドの演奏が始まった。ボーカルなしのハワイアンを中心にしたインストゥルメンタルの曲だ。ただ、ボリュームがかなり大きく、隣に座っている人の声が聞きとりにくい。そんな中で西口さんが俺に話しかけてきた。声が聞きとれないので俺は耳を西口さんの方に近づける。西口さんも俺に近づき、耳元で少し大きな声で話してくれた。
「この前頂いたボール、ちゃんと飾ってありますよ」
「そう。それは良かった」
「今度、二人で食事にいきませんか?」
明らかに美佐枝から何か吹き込まれているのだろう。しかし、断る理由はない。
「いいよ。今度行こうか」
「じゃあ、連絡先交換してもらえますか?」
そう言われて、俺はスマホを取り出し、連絡先を交換した。ちょうどその時美佐枝がジョッキビールのお代わりを持って帰って来た。俺たちが連絡先交換をしているのを知って、美佐枝は意味ありげに微笑んだ。
西口さんから連絡があったのは、それから2日後だった。お互いのスケジュールを確認して、次の土曜日に待ち合わせることにした。
土曜日に俺が選んだ店は、会社の接待でよく使う和食店だった。接待でその店を使う時は、いつもコース料理を注文するのだが、西口さんの好き嫌いがわからないので、メニューを見ながら単品で頼むことにしていた。
「綺麗な店ですね」
個室に案内されて座るなり西口さんが言った。
「よく接待で使う店なんです。今日は単品で頼むことにしましたので、好きなものを選んでください」
俺はそう言って、メニューを広げて渡した。
「星原さんが選んでください」
そう言われて、俺は西口さんの好き嫌いを聞きながら、何種類か注文した。お酒は何でも好きなようで、最初は瓶ビールを頼み、その後は日本酒にすることにした。
初めて二人で話すので、軽く緊張しながら、お互いのことを紹介しあった。西口さんは現在27歳ということだった。栃木県の出身で、東京の専門学校を出て、そのまま東京の美容院で働くようになったということだ。今の美容院は2件目で、そこで美佐枝の担当になったらしい。
西口さんは、美佐枝が会話上手だと言っていた通り、聞き上手で、話し上手だった。俺の話をうまく引き出してくれる。俺の仕事のことなどもうまく聞き出し、俺が経営している会社の内容や、どれくらい稼いでいるかまで、上手く聞き出してしまった。俺としても、これから交際するかもしれない相手だと思ったので、包み隠さず話した。
程よく酔いが回ってきたところで、西口さんが聞いてきた。
「山本さんとは離婚されてからも仲が良いのですね」
「もともと嫌いになって別れたわけじゃないし、大学時代の後輩だから、付き合いが長いからね」
「星原さんは、再婚は考えていらっしゃるのですか?」
「まあ、良い相手がいればね」
「もし、良い相手が現れて再婚したとして、その後も山本さんとの付き合いは続けていくのですか?」
俺は意表を突かれた思いだった。今の今まで、そんなことは考えてもみなかった。
「新しい奥さんとしては、前の奥さんと頻繁に会っているというのは気分の良いものではないと思うんですけど」
「そうだね。確かにそうだ。再婚したら、美佐枝とはもう会わないようにしなければいけないね」
俺がそう言うと、西口さんは納得したような顔をした。
西口さんとは、それから数回、映画を観たり、食事をしたりした。西口さんは、俺が正式に交際を申し込むのを待っている様子だったが、俺はなかなか踏ん切れずにいた。確かに西口さんは可愛いし、会話も楽しい。女性としての魅力は充分にある。前回食事をしたときは、西口さんのマンションまで送って行った際、「部屋にあがりませんか?」と誘われた。一瞬俺の心は動いた。美佐枝と別れてから、俺は風俗以外でそういう行為をしていない。西口さんは、性的魅力も十分ある。しかし、西口さんとそういう関係になったら、もう後戻りはできない。俺は「明日仕事が早いので」といって、そのまま帰った。
久しぶりに美佐枝が俺の家にきた。
「友達から栗をもらったから、栗ご飯を作ってあげる」
美佐枝はそう言って、台所に立ち、栗の皮をむき出した。
栗ご飯が炊けて、おかずにサンマを焼いてくれた。すっかり秋を彩る食卓だ。
「この前、美容院へ行ったけど、西口さんと何回か会っているんだって?」
「うん。何度か食事をした」
「付き合うの?」
「どうしようか迷っているところ」
「どうして?良い娘じゃない」
「そうなんだけど・・・」
俺は西口さんに言われた「再婚しても美佐枝と会うのか?」という話をした。
「そうかあ、そうだよね。新しい奥さんからしてみれば、前妻と会っているなんて知ったら嫌に決まっているものね。私がその立場でもそう思うよ」
「やっぱりそうだよな」
「わかった。孝太が西口さんと付き合うようになったら、私はもう孝太とは会わない。連絡もしないことにしよう」
「それでいいのか?」
「いいも悪いも、それが当たり前なんじゃない?」
「再婚しても美佐枝と会うことを許してくれる女性はいないのかな」
「そんな女がいるわけないじゃない。そもそも、離婚してからもこうやって会っていることの方が異常なんだから」
「だって、俺たちは相手が嫌で離婚したわけじゃないじゃない」
「そうだけど・・・。孝太、私のことまだ好きなの?」
「あれだけ好きで結婚して、嫌いになったわけじゃないんだから、好きに決まっているじゃないか」
「なんか、ものすごく回りくどい言い方だね」
「それより美佐枝はどうなの?俺のことはもう好きでも何でもないの?」
「好きだよ。好きだから、こうやってちょくちょく会いにきているんじゃない」
「だったら、俺たち、もう一度やり直さないか?何か良い方法がないか考えるから」
「それは、もう結論が出ているじゃない」
美佐枝はそう言って、食器を流しに持って行き、洗い物を始めた。
美佐枝は洗い物をしながら俺に言った。
「孝太は西口さんと結婚しなよ。それが孝太にとっては一番いいよ」
俺は返事をしなかった。
片づけが終わり、美佐枝は帰り支度をして玄関に向かった。俺はそれについて行き、見送る。靴を履いた美佐枝が振り返り俺の顔を見た。
「これで本当のお別れね。元気でね」
「美佐枝・・・」
俺は美佐枝を抱きしめた。美佐枝も俺の背中に手をまわし、抱きしめ返してくる。美佐枝が俺の耳元で言った。
「最後に、もう一度だけ、しようか?」
「美佐枝」
「まだ西口さんと付き合っているわけではないから、いいよね?」
俺は美佐枝の唇をふさいだ。二人はキスをしながら、もつれあうように寝室へ向かった。
最後に良い思い出ができたと言って帰っていった美佐枝を見送り、俺はどうしようもない焦燥感に襲われた。これで美佐枝とお別れなんて嫌だ。やはり、美佐枝を失いたくない。まだ美佐枝の香りが残るベッドで、俺はジッと考えた。
あれから8か月はあっという間だった。それまでに何度も美佐枝に電話をしたが電話には出ない。LINEを送っても既読にすらならなかった。結局西口さんとは交際しないことにしたということは、美容院にいけば西口さんの口から知らされるはずだ。それなのに俺からの連絡に応じようとしなかった。俺は仕方なく、何度か美佐枝のマンションへ行ってみた。しかし、インターフォンを鳴らしても出ず、外から窓を見上げても電気がついていなかった。それでも定期的に俺は美佐枝のマンションへ通い続け、今日も空振りかと落胆しながら帰ることを繰り返した。会社が休みの日には、マンションの向かいにあるコインパーキングに車をとめ、ずっとマンションの入り口を見張ることもした。
そして、あれから8か月、5月下旬の日曜日のことだった。例によってコインパーキングで見張っていると、マンションの入り口でタクシーが止まった。そして、美佐枝が大きなキャリーバッグを持って降りてきた。俺は慌てて車から出て、大声で呼びかけた。
「美佐枝!」
美佐枝がこちらを向く。声の主が俺だと確認したのだろう。美佐枝はその場で立ち止まり、俺が近寄るのを待っていた。
「孝太、どうしたの?」
「ずっと連絡していたんだよ」
「そうみたいね。私、この半年ニューヨークに行っていたの」
「ニューヨーク?」
「前々からニューヨーク支社に半年くらい言ってくれないかと打診されていて、半年前にそれを受けたの。そして、それが終わって今日帰国したところ」
そうか、俺が決断して連絡を取り出す少し前に日本を離れていたのか。
「美佐枝、これから一緒に行ってもらいたいところがあるんだ」
「これから?急ぐの?」
「早い方がいい」
美佐枝は荷物だけ部屋に持ってあがり、俺と一緒に車に乗ってくれた。
「日本にいなかったのなら、美容院へも行ってないんだ?」
「そりゃあそうだよ」
「俺、西口さんとは結局交際しないことにしたんだ」
美佐枝が驚いたように俺を見た。
「どうして?」
「俺は、やっぱり美佐枝が好きだから。もう会えなくなるというのは耐えられない。それに、そんな気持ちで西口さんと付き合うのは、彼女に対しても失礼だろ?」
美佐枝は何も言わず黙ったままだった。もうすぐ目的地に着く頃に俺は言った。
「俺、家を建てたんだ」
「家を?」
「そう。着いたよ」
俺は家の前の駐車場に車を入れた。
「何この家、アパート?」
美佐枝が不思議そうにそう言う。当然のリアクションだ。一軒家なのだが、玄関ドアが二つ並んである。
「二世帯住宅。玄関も別になっている」
俺はドアのひとつに鍵を差し込み解錠して中に入る。ここはもともと会社の倉庫を建てようと購入していた土地に、知り合いの建築士に頼んで家を建ててもらったのだ。俺がこういう家を建てたいと言うと、その建築士は面白がって設計してくれた。簡単に言えば二つの家がつながっている構造になっている。それぞれの家が2階建ての3LDKの間取りをとり、一つの家のリビングを広めにして、そこに隣の家とつながるドアをつけた。そのドアを見せながら俺は説明した。
「このドアは、こちらから鍵をかけることができる。鍵がかかっていると、向こうの家からは開かないようになっている。だから、美佐枝がこっちの家に住んで、俺がこっちに入って来ても良い時にここのドアを開けてくれたらいい」
「私がこっちの家に住んで、孝太が向こうの家に住むということ?」
「そう。これなら夫婦としてやっていけるのじゃないかな?」
「すごくお金がかかったでしょ?私が住まないと言ったらどうするの?」
「その時は、賃貸に出すしかないよな」
「せっかくの新築の家、賃貸に出すなんて、もったいないわね」
「だったら、住んでください。そして、もう一度俺と結婚してください」
美佐枝は俺に背中を向け、キッチンを見ながら話し出した。
「私、最初は孝太のことを思って西口さんを紹介したの。でも、孝太が西口さんと何回もデートしていると聞いて、嫉妬で胸を掻きむしりたくなるほどだった。自分でそんな気持ちになるなんて、思いもしなかった。そして、もし西口さんと結婚したら、もう孝太と会えなくなると知って、私は何てことしたんだろうって、とても後悔した。それと同時に、私はなんて身勝手なんだろうと自分が嫌になった。もともと私のせいで離婚したのに、いまさら何言っているんだろうって。だから、自分で自分の気持ちを抱えきれずに、ニューヨークに逃げたの」
「あの日、美佐枝が帰ったあと、俺は美佐枝以外の女性とは結婚しないと決めたんだ。だから、この家に住んでください」
美佐枝はやっとこちらに向き直った。その顔は涙でグショグショだった。そして、俺に駆け寄り抱きついた。
「よろしくお願いします」
涙で声を震わせながら美佐枝はそう言ってくれた。
「向こうの家に行かないか?向こうの家にはもう家具を入れているんだ」
「それは、ベッドもあるということ?」
俺は黙って美佐枝の手を引いて、向こうの家に通じるドアを開けた。
3年前に離婚したのに、頻繁に家に来る元妻 春風秋雄 @hk76617661
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