第8話 ダウンロードする母
私は絶対に、なんたらというアプリをダウンロードするものか。
だって得体が知れなくて必要性をかんじないもの。
……。
娘がネットに文章を載せている?
それだけでもゾッとする!
なにが書かれてしまっているのか。
そもそもなにを書く場なのか。
ネット記事みたいなものでも書いてるのかしら?
ライター?
そんな大袈裟なものじゃないって言ってたわね。
私は漫画を読みながら悩んだ。
最近、次女が頻繁に孫と里帰りしてくれるので、なんとか長女とも会話ができてきた。
そして、次女と孫が帰ると。
ぶっきらぼうに2人して会話する。
娘がまた白っぽい画面に一生懸命に無表情でスマホに何か打っている。
パソコンを使えばそのうちブラインドタッチを覚えられるのでは?
まあ、うちのパソコン壊れてるけど。
思いっきって、聞いてみるべきか。
なにをしているのよ
……またこじれそうね。
画面を覗くのも負けたみたいというか興味ないし。
何か不利益とか迷惑を被ることがあったらそれは、もう十分大人な娘の責任。
果たしてスマホでなにをやっているのやら……。
私は同僚にメッセージを送る。
〈例のアプリの、作品? どお?〉
娘が今度は読書をしているようだ。
文章をひたすら目で追っている。
横書きなのか。
縦スクロールの漫画を読む私といい、なんかやな親子だ。
ポコンッ!
アイコンをタップする。
〈いま更新された! 読んでるとこ! なんか母親と喋れてるっぽい!〉
……。
〈なんていうアプリだったっけ〉
まさか。大事になってないでしょうね。
ネットにどこまで書いてるのよ?
そもそも娘が書いてるの?
私はすぐに消せばいい、と怪しみながら「カクヨム」をダウンロードした。
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