第6話 「同僚」、出会う。
〈異世界転生! 生まれ変わったら魔力0の握力10000なので全ての魔法をはたき落とす!!
しっぺ返しマジカルファンタジー!!〉
〈わたくし、あなたのその残酷さ、好きでしてよ?
生まれながらの悪の帝王と生まれついての悪女の純愛すぎる恋の行方……。
悶え愛(あ)い〉
〈幼馴染だと思ってたやつに同じく幼馴染がNTRから?俺も親友の「男」を寝取り返す?
え? 三角関係? いえ、結局3◯!〉
……なんだか「注目の作品」なのに全然読む気しないのよね……。
すでに大作で100話以上あるし。
でもそういうのに限って星が二千個は軽くあるから「面白い」んでしょうねえ。
「同僚」はもともとは三毛猫ホームズとか赤川次郎のミステリーなどを若い頃に読んでいた世代だ。
ちなみに職場では苦労していて、就業時間なのにわざと(もう、何考えてるのわざとよ、絶対!)仕事を継続しようとして道具や物品を掻き出してくるパートがいて、無理矢理残業して無理矢理稼ぐ気満々なパートがいる。
「コッチが終わるまでに必死で時間いっぱい働いて定時で終わらせてるっていうのに、何様なのかしらね!」
「ホント! もう何様殿様よ!」
と、気の合う友達(?)も職場にいてくれて人生神!
……使い方合ってるかしら。
いいなあ。みんなみたいに私もいい小説書きたいわ。悪役令嬢ならぬ善良令嬢とか、スッキリ世渡り、処世術! わたくし、こうして生きていきますわ! みたいな。ココ・シャネルやデヴィ・スカルノ夫人のエッセイを読みながら偉人に学ぶ令嬢モノなら書いてるんだけど。
なかなかPV伸びないのよね……。
「同僚」は次第に同じく職場に悩む作者のエッセイや人生を空想とシャッフルしたおもしろ現代ドラマを読んでいた。
他にも。
なんか見てられないわ。うん? 読んでられない? なんていうのかしら、心配で通知が来たら思わず読んじゃう。でもこの底深さがいいのよね。作者が良いって言った曲リストアップしてくれると嬉しいわ。ロックらしいけどまとめて聴きたい。
この作者どうにか幸せに生きられないかしら……。
ネット内の本当かどうかもわからない話にハラハラ。
隣でぐうたら寝ている息子を見る。成人済みで不動産会社に勤めている。休みの日はゴルフやチョコザッ◯にハマっているくせに。
たまに、「先輩やお客さんに疲れたオレ」みたいな感じに爆睡する日がある。
ちなみに家事は洗濯物を取り込んだり、お皿洗うくらいならやるわね。
あとお風呂洗い。
もう少しして百万円貯まったら出てく、というから、まあ、新社会人まぶしいまぶしい、はいはい。
こっちはあなたを育てるので貯蓄なんてゼロよ、ゼロ。
今度はTwitterを巡回。
その後はまたカクヨム。
職場の友達は今流行りの縦読みの王宮モノにハマっているらしい。
カクヨムパトロールしよ♩
パトロールといってもそんなに過激なものは無いのだから中にはギリギリの濡れ場や過激な言葉を使ったものがあるからやり方を調べて運営に報告している。
ちょっと罪悪感と快感がある。
「ん〜?」
〈臭い、臭い、臭い、全部柔軟剤のにおいにして。いじめてくるような母。もう終わり。もうすぐ母の日。自殺しろ。
うちの母は天照の大神〉
これは、どうなのかしら。
気づくと母の日が近かった。
あらすじで読ましてくださいねー、と。
〈古い漫画や本で私の部屋は甘ったるさの中に埃っぽい、まるで老人が住んでいるかのような静寂さとアニメグッズ。
文房具に、レシートを保管してお小遣い帳をつけているノート。
健全だと思う……。だけれど、母は私に臭い臭いと言いまくる。うつ病でお風呂も入れない。
私はある日とうとう決定的に母に追い詰められて家の壁に死ね、金、臭いと書く。これは、母からのいじめ日記〉
なんか、独特な毒と暗澹と孤独がくるじゃない。
読むにはまだまだ、修行が足りませんよ、っと!
まあ、1話目だけ読んだげる。
1話目 母のせいでみんなのせいでうつ病
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