原稿メシ、用意するとむしろ何故かやる気でない

 それはもうその日はやる気に溢れていて。

 どれぐらいのやる気が溢れていたかっていうと、


 「今日1日で8万字ぐらい書いちゃえば原稿って終わるんじゃない!?!? やっべぇがんばろ!!」


 ぐらいだったんですけれども。

 だからもう最寄りのスーパーでちょっといつもとは違う原稿用のおやつを買いましたよね。

 しかも私ももう、小説と睨めっこする人生になって長いですからね。

 という隙の無さでしたわ。ええもう。


 でね、家帰るじゃん。

 まずはまあ、ちょっとした家事を済ませますよね。で、原稿メシを準備してね。で、いつでもええで、と。

 いつでもやったるで、とね。おらおら来いよ、とね。


 で、まあね。 

 そのままベッドにごろんして動画サイト視聴するってわけですわ。

 でもね、やりたいという気持ちはあるんですよ。今日という休日を丸一日使って、原稿を8万字すすめてやるって算段ですわ。心の刃はぎらっぎらですわ。


 でもね。


 気づいたら昼寝して5時間経ってたのよ。


 これはね、どういうことなんだろうって。

 あんなにやる気もあったし、甘いのもしょっぱいのも用意したのに。


 何故、原稿メシを用意するとむしろ「まあなんかいつでも始められますし? 8万字、秒ですし?」みたいな気持ちになって、その膨れ上がった尊大な気持ちが、

「ま、ひとまず昼寝から始めますか、っと……」

って感じで指をポキポキ鳴らしてグゥと寝入ってしまうのか。


 後に残ったのは。

 なんかまあ特に進まなかった原稿と。


 所在なげな甘いしょっぱいオヤツなのでした。


 次の休みに食べます。楽しみです。

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創作する者のエッセイ ~近所のコンビニからの帰り道が一番ネタ浮かぶよね~ 二八 鯉市(にはち りいち) @mentanpin-ippatutsumo

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