草むしり執筆法
それは今年のゴールデンウィークのことであった。
勤め先の社長の配慮で結構長めの連休を頂く事になったワタシは、ちょっと思いついたことがあった。
1日1万字書いたら10日で10万字じゃね?
この話また今度するかもしれないんだけど、この身を削った人体実験として、結論から言おう。
・脳疲労より先に、物理的に手に震えがくる。
・打鍵に自信ニキと思って買ったゲーミングキーボードがキシキシ言い始めた。
・止めといたほうがいい。
以上である。
で、ワタシは基本的に長時間の執筆の時はポモドーロテクニックを用いている。ポモドーロテクニックって何? というのはここでは割愛する。検索したら出てくるで。
で、書いては休憩、書いては休憩を繰り返すとき。
何かもう、1万字を叩くにあたって疲労した脳が、本能的にこう言っていた。
「体を動かしたい」
そしてそれが、玄関の前でひしめく雑草に結びつき、ワタシの中にとある欲求が生まれた。
めっちゃ草むしりしたい。
まるで、世界で初めてキノコに向かって「これ、食べれるんじゃない?」という心境に至った人類のような欲求であった。それをやってどうなるか不確かだけどやってみたい。そんな気持ちである。
で、やってみた。
やばい。
草むしりやばい。
何がやばいか分からんけど、草むしり楽しい。ひたすら一心不乱に目の前の草をむしりつづける。抜いては捨てる。抜いては捨てる。あまりにも、楽しい。抜いた後の地面は当然ながら何も残っていない。我が右手で一ひねり。我の左手でも一ひねり。ふはは雑草どもめ! 雑草どもめ! 二度と我の前に顔を見せるでないこのっえーまってやばっなんか変なツタまであるっ! おりゃっ! うりゃっ! ふはははは。
そうしてある程度カタがついたら、自室のPC前へと戻る。
そして再び、その日の目標の1万字に向けてキーボードを叩く。叩き続ければ、タイマーでセットした時間が近づく。
終わりの3分ごろには。
「草むしりてぇ……草抜かせてくれよ……草むしりてぇよ……あーー次はどこの草むしろうかな……玄関の右側終わったしな……次左側だよな……草……草むしりてぇよ……」
そして諸君。不思議な事には。
草むしりをした後の頭はスッキリしていて、また1万字にむけてよどみなく言葉が溢れてくる状態に戻っているのである。
1日1万字生活の方はまったくオススメしない(むしろやめた方がいい)が、気候の穏やかな時期の草むしり→執筆→草むしり→執筆の繰り返し打法は、ちょっとまた来年もやってみようかと思っている。
正直めっちゃ楽しかった。
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