第19話 おいろけ回!! えっちだぞっ!!

 リリカ殿が学校に行っている間、拙者は家で一人リサーチを行っていた。

 パソコンを使って、他の配信者を調べるのだ。


「なるほど……切り抜きなんてものもあるでござるか。むむ、つまりこれは拙者の配信の切り抜き」


 などと調査を続けていると、


「おや、この女性配信者、スキルのレベルも低く大した攻略もしていないのに、どえらい再生数でござるな。何故でござろう」


 『岡の子』なる人物のチャンネルを覗く。

 ぬぬ、こやつかなり胸が大きい。

 一瞬パンパンに膨らんだ風船かと思ったぐらいに。


 しかもなにやら奇抜な……アニメキャラの格好までしている。

 なんと大胆でセクシーな女子おなごであろうか。


 えっちさのおかげで男性視聴者から高い人気を得ているわけだ。


「そうかこれは……おいろけの術!!」


 もしやこやつも忍者??

 気になる所だが、こやつがおいろけの術を使うなら、拙者だってやってやる!!


 さっそく、配信を始めてみる。

 ダンジョンではなく、部屋での配信。

 パソコンのカメラに向かってする、いわゆる『雑談配信』である。


 よし、まずは服装から変えよう。

 普段の忍び装束ではセクシーさが足りないので……リリカ殿から寝巻きとして貰った『キャミソール』と短パンに着替える。


 拙者、リリカ殿ほどえっちな体はしてないが、これでも花も恥らうピチピチの乙女。

 きっとセクシーになれているはず。


 おや、さっそく人が来た。


:なんの配信?


:パジャマ!?


:サユキちゃんオンリー?


:なにがはじまるんです?



「皆の衆、よく来たでござる。今日は拙者のおいろけの術を披露して、チャンネル登録者を増やす配信でござる!!」



:は?


:は?


:そんなチンチクリンで?


:おい……ろけ?


:は?


:うおおおおお


:ロリコンほいほいかよ


:その体型で!?


:新しいタイプのメスガキ


:やったああああ



「ではかつ目して見るでござる!! 忍法・おいろけの術!!」


 カメラに向けて、笑顔でウインク。


「どうでござるか!!」



:は?


:は?


:できてねーよ、両目つむってたぞ


:なめてんのか


:ただのまばたきでしたが



「むむ、拙者のセクシー攻撃が通用しないとは、なかなかセクシー耐性が高いでござるな皆の衆」



:聞いたことねえよセクシー耐性なんて


:小学生すら興奮しないだろ


:子供がまばたきしたぐらいで興奮するほど末期じゃないって


:かわいいね


:将来が不安だよ



「うーん、ではどのようにすれば満足するのでござろうか」



:もっと露出して


:肌みせて



「露出? はは〜ん、さてはお主らロリコンでござるな。変態め。えっちなのはダメでござるよ〜」



:お前がはじめた物語だろ


:おいろけの術なんじゃねえのかよ


:ちょっと興奮してきた


:ロリの自覚あったんだ


:もっと足みせて



「足? 足でござるか? ほれ」


 立って生足を画面に映す。



:いいね


:うおおおお


:えっっっっど


:やればできんじゃん


:意外と筋肉あるな


:セクシーじゃん


:これもうポルノコンテンツだろ



「ふっふっふ、チョロいもんでござるな、殿方なんて」



:座って前後に揺れて



「座って前後? こうでござるか?」


 ゆさゆさと前後に体を動かしてみる。



:いいね


:えっっっっっ


:今度は上下



「上下に? なるほど、こうでござるな!!」


 椅子を引き、空気椅子の体勢から思いっきりジャンプして、天井に張り付く。

 さらに腕の力で勢いよく降下して、それを何度も繰り返す。


 くくく、実はこの手の修行は幼き頃よりしていたでござる。


 忍者は座った姿勢から勢いよく飛べなくてはならないので!!


「見るでござる!! 超高速上下運動!! うおおおお!!!! 画面にも映らぬ速さで床と天井を行き来するでござる!!!!」



:まてまてまてまて


:草


:wwww


:すご


:凄すぎて草


:っぱ化けゴリやんけ


:意味わからんくて草


:止まれ止まれ止まれ



「止まれ!? わかったでござる。はああああああ!!!! はっ!!」


 空中で停止してやったでござる。


「秘技!! 空中浮遊!!」



:えええええええ


:空中浮遊!?


:wwwwwww


:どうなってんの!?


:あ、ゴリラの幽霊だから……


:マジで幽霊だったんだ



 むむ、そろそろ限界。

 ゆっくり地面に着地する。


「ふう、セクシーでござったろう?」



:これもうどういう配信なのかわかんねえな


:セクシー(アグレッシブ)


:成仏してくれ


:これは伝説になるぞ


:呪われそうで切り抜けねえよ


:お腹みせて



「お腹でござるか? いいでござるよ」


 とキャミソールの裾に手をやった瞬間、リリカ殿が帰ってきた。


「な、なにやっとるん」


「セクシー配信でござる!!」


「……は?」


「拙者、立派なポルノコンテンツになるでござるよ!!」


「意味わかっとんのかあんた」


 リリカ殿に配信を強制終了されてしまった。

 むむむ〜、盛り上がってきたところなのに。


 ま、明日もやればいっか。




 翌日。


「リリカ殿!! 拙者のチャンネルが変でござる!!」


「アカBANされたんやね。心配せんでも、一時的や」


「アカBAN!? な、なにゆえ!?」


「……セクシーすぎたんやろなあ」


 どうやら生足を見せたのがよくなかったらしい。

 拙者のセクシーさに運営も興奮してしまったのか。


 拙者、なんて罪な女。


「って、はやく復活しないとダンジョン配信できないでござるよーっ!!」





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※あとがき


サユキちゃん、突然叩いたらどんな顔するんだろう。


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