第11話 お泊まり会3
「今日はただのお泊まり会って聞いてたんやけど、そういう感じ?」
アヤナがカナのお尻を睨みつけながらそう言う。
「あ、いやこれは違くてっ、その場のノリ的な?」
カナはすぐに立ち姿勢になり、焦ったかの様に手をわちゃわちゃとしながら誤魔化しにいく。
「あーこれはあれだ、遊んでたらカイトくんが色々許してくれるから調子乗って歯止め効かなくなっちゃったやつでしょ」
コトミさんがははーんと完璧な推理を見せる。
「あ、あははは...」
図星である。
「カイトくんも無理に乗らなくていいからね」
「いやいや、俺も楽しかったから」
本心である、罰ゲームと称しセクハラをしてくるのも最後に俺がカナのお尻を叩いたのも正直かなり楽しんでいた。
「ま、まあまあこっからみんなで遊びますか」
そこからは何事もなく3人で楽しくゲームをするだけだった、と思っていたのだが問題は夜に起きた。
夜みんなが寝静まった頃ガサガサと物音を立て何かが動く音が聞こえた。目が覚めたが寝たフリを続ける。
誰かが俺の体に優しく触れる、服の上からお腹のあたりをさするように触れる。
「ごめん、カイト、ごめん...」
この声はアヤナだ、まさか4人で同じ部屋にいるにも関わらず手を出してくるとは思わなかった。
そんなことを考えているとアヤナの手が直接肌に触れる様にシャツの下から入ってきた。
細く柔らかい、そして少しひんやりとした手がお腹と胸の間あたりをくすぐる様にスリスリと動く。
そんな感覚に我慢できずにビクリと体が動く、それに反応したアヤナはピタリと動きを止めた。
恐らく俺が起きたかもと焦って動きを止めたのだろう、焦ったいなーこうなったら。
「へっ...?」
寝返りを打つふりをして俺の上にいたアヤナを絡めとる。
胸はぎゅうぎゅうと押し合い、お腹はピッタリとくっつき、足は絡め合う。
お互いの顔がくっつくほど近く心臓の鼓動がお互い加速していっているのがわかる。
少しの間アヤナはどうしていいのか分からず固まっていたが、我慢できなくなったのか体の色んなところをグリグリと押し付ける様に動く。
息を切らしギシギシと動いていたアヤナがいきなり俺の抱擁から抜け出すとそのまま部屋の外にかけて行った。
数分後トイレを流す音が聞こえるとアヤナは何事もなかったかの様に戻ってきたのであった。
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