第5話 催眠アプリ
「カイトくんこれ見てよ」
放課後の教室2人きりになると、カナがよく分からない渦巻き状の画面が表示されたスマホを見せつけてくる。
「何これ...?」
「今話題の催眠アプリってやつ」
「なんだそりゃ、アホらし」
(待てよ、これでかかったフリしたら面白そうじゃないか?)
最初はアホらしいと思ったが少しイタズラを思いつく。
「まあまあ、そう言わずに10秒間見つめてみて」
「はいはい」
いやいややっているように装いながらスマホの画面を10秒間見つめる。
ぼーっとしたフリをし虚な目で虚空を見つめていると
「あれ?本当にかかった?カイトくん?」
俺の顔の目の前で手を振りながら本当に催眠にかかったのかを確認している。
「え?マジ?ちょっと失礼しまーす」
そう言いながら俺の顔をぷにぷにと触り出す、最初はほっぺを触り、その後唇に触れながら口の中に指を入れられた。
カナは俺の唾液がついた自らの手を咥え恍惚とした顔でこちらを見ていた。
「やば、止まれなさそう...」
次に俺の手を恋人繋ぎでにぎにぎと感触を楽しむように何度も握りしめる。
カナはそんな手を見ながらニヤニヤとしている。
「カイトくんえっちすぎ、こんな男近くにいて好きにならない女いないでしょ」
カナの柔らかい体で俺の体を抱き寄せかなり強い力でギュッとされる。
「あーもう好き、大好き」
顔を俺の胸にぐりぐりと埋めながら、すーはーと匂いを嗅いでいる。
ガタッ
いきなり教室の扉が開くと、コトミさんがそこから顔を覗かせていた。
「カイトくん...?何してるの?」
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