名古屋での戦い
「次は…名古屋… ここからは東海を制覇するぞ!」
名古屋へ向かう途中、龍の如意宝珠に乗りながら、なぜか俺は調子が良くなっていて自然にテンションが上っていた。
「なんか、体の調子が良いな」
「それはお主が妾の力がこもった勾玉を付け、龍の如意宝珠に入っているからではないかのう。 どちらも神のもの。その力を得られるということはお主はもう神となっているのかもしれない」
「神か…こないだ鬼神も同じようなことを言っていたな。神…人間卒業か。人間宣言ならぬ神宣言でもしようかな」
「ハハハ! そうか。小僧も神か。お前は何の神だろうな」
「神…強いて言うなら『復讐の神』かな」
「お主それはあまりにも物騒すぎないか?」
天照大神は俺の体の中から出てきた。
「まあ何だって良いんだ。俺は『覚醒者』に復讐をするだけにこの10年間生きてきた。始めはこんな小さなナイフ一本で立ち向かおうとしてたんだぜ。でもしっかりと巻物のとおりにやったら鬼神に会えた。今思えばこうして天照大神と出会っているのも必然なのかもしれない。あの巻物は伊勢神宮の賽銭箱の近くで見つけた。あの時点で俺は俺の中に眠る天照大神の血に引き寄せられていたのかもしれない」
「ハハハ!なにはともあれこうして今があるのだから眼の前のことを精一杯やるしかない! ほれ、名古屋?に着いた! 『覚醒者』を滅するぞ!」
そうして俺達の『覚醒者』との戦いの最終章が始まった。
『覚醒者』は荒廃している名古屋城の天守閣の上にいた。毎回思うのだが、『覚醒者』は爆発するというのに、なぜか真下の建物の形は残っている。なぜだろうか。翌々考えてみたら、あの原子爆弾も同じようなもので、真下にある建物は真上からの衝撃のみで、押しつぶされるような形になるので残るのだとか… といっても周りがこんなにも壊れていたら空中に浮かんでいる仏像は異様なものとしか見ることが出来ない。
仏像の近くに来れば、もういつもどおりだ。しかし、今回は名古屋城の天守閣にいるので、これ以上名古屋城を壊さないためにも城の中を通って仏像の真下まで来た。なぜか仏像少しの反撃程度で、特に反応もせずに壊れていった。
「お前は殺生を行った。破門だ。 地獄道へ落ちろ」
こうして何も面白げなく『覚醒者』を倒す事ができた。
「何やら怪しいな」
そう天照大御神と鬼神がつぶやいた。
「もしかしたら行曹は『覚醒者』が倒されることを知り、『覚醒者』の力を集め始めているのかもしれない。急がないと手遅れになるかもしれない」
そう鬼神がいつになく真剣な顔でいった。鬼神は人間の姿をしていたので余計緊張感が伝わってきた。そして名古屋での戦いに手応えを感じることが出来なかった俺達はまた近くの宿…ちょうどいい感じのホテルに泊まった。さすが名古屋。三大都市圏。
そして次の日、俺達は東海道を順に北へと向かっていった。次の目的地は浜松だ。
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