反応
「ただいま」
僕が神楽と一緒にせっせと贈り物の仕分けをしていた頃。
「……ぁ?」
さも当たり前のように僕の家へと早紀が入ってくる。
何か知らんが昨日、今日の今までは丸々家にいなかったし、何よりもここ最近はいないことも多かったとで、もう早紀は僕の家への興味をなくしたのかと思っていたのに。
しっかりと来るじゃないか、忌々しい。
「何さ?」
僕は自分の心のうちを一切隠そうともせずにその心のうちのまま、声色を載せて口を開く。
「……何それ?」
「何が?」
だが、それに対して早紀は無表情のままに立ちすくみながら首をかしげる。
「それ」
「ん?」
僕は頬をつきながら、イライラとした表情で言葉を返す。
さっきから、早紀が何を言いたいのかまるでわからない。
「……あっ、そのこれは」
「ふーん」
「あん?」
そんな中で、何か急に神楽が頬を赤く染めだし、それを見て早紀が声を上げる。
何してん?こいつらは。
「おい、お前。どうせ来たなら手伝え。これらの仕分けをするんだよ」
よくわからん……が、使えるものはさっさと使ってやろう。
そんなことを思って僕は早紀の方へと声をかけたのだが……。
「ごめん。やることが出来た」
急に早紀はやることが出来たなどとほざき始める。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ?なら何でうちに来たんだよ。お前……冷やかしに来たなら帰れよ」
「そういうわけじゃない。ここに来て、今。用が出来た」
「はぁ?」
何でうちの家に来たら用が出来んねん。
「逃げるんじゃねぇよ。ちゃんと手伝っていけや。ここら辺の荷物にお前だって関係しているだろうが。なぁ?」
「それは、やる。でも、待って。少ししたら戻ってくるから。三十分だけ。そう、三十分だけだから。その間、二人は休憩していたら?私は急いで用を済ませてくる」
悪態をつきつ続ける僕に対して、早紀はさっさと自分の言いたいことを告げた後、僕の家から出ていってしまう。
「……何なん?」
そんな早紀に対して、僕は困惑の感情を虚空に投げ返すのだった。
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