延焼
僕が特に自分へと来る影響などないと気にしていなかった配信。
それが自分の元にまで僅かな形で広がってきたことにわずらわしさを感じていた僕は。
「全然見通しが甘かったわ」
家に帰ってくるなり、最初に持っていた自分の感想を完全に撤回する。
全然自分に来る影響がない……なんてことがないと悟った。
「……やりすぎじゃない?」
学校から自分の家に帰ってきた僕。
そんな僕を出迎えたのは大量の物品であった。
「まぁ、でも……うれしいんじゃないかな?」
「いや、でも量よ」
通販で運搬された大量の段ボール類。
そこに入っているのは日用品から多くの宝石類まで。数多、多くのものであった。
「……トイレットペーパーとかこんなにいらない。あの有名なトイレを作るか?うちに」
「いや、それは不便だからちょっと……別にこの家ってば収納する場所も多いしさ。大丈夫なんじゃない?」
「……はぁー、整理するのが大変でしょ。あと、収納するべき場所があっても食材は無理だろ、これ。僕にホームパーティーでもしろってか?」
「……そうだねぇ。保存食でも作っていく?」
「作ろの僕でしょ」
僕と神楽は自分の家に届いた大量の段ボールを整理整頓しながら言葉を交わしあっていく。
うれしいものも多々あるのだが、ちょっと迷惑と思うものまで、本当に大量のものが数多くの陰陽師、陰陽家から送り込まれていた。
「にしてもさぁー、もう少し陰陽師全体で連携取れなかったのか?多くの一族から大量に来すぎでしょ」
「まぁ、横のつながりってのは少ないからねぇ、陰陽師ってのは」
「だとしてもねぇ……あっ、ここら辺のネックレスとか宝石とか、そこら全部神楽が貰っていいよ。僕は使わないから」
「あっ?本当?わーい、ありがとう……ふへへ、嬉しい。よくぞ働いてくれたものだね」
僕と神楽は手際よく家に届いてきたものを整理していく。
「……んげっ」
そんな中で、自分の生家より送られてきた贈り物を見つけた神楽が変な声をあげるのだった。
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