無関係
確かに大変そうな陰陽界。
「……まぁ、でも僕は関係ないかぁ」
だが、別に僕ってば関係なくない?
「いや、中心人物があんただけど?」
「確かにそうではあるけど、だからと言って僕に関係があるとは限らなくない?だってさ。事って僕の埒外のところですべて行われているんだよ?僕が絡むこともなければ、被害がこっちにかかることないよ?」
僕を中心として争っているのだとしても、その当人であるこちらは両派閥と一切関わりを持ったことがない。マジで自分とは無関係なところで勝手に争っているだけだ。
別にこれらによって陰陽界が潰れようとも僕には何ら影響がないしな。
何なら、僕という区切りで見るなら反対派閥の方が顔見知りだ。
陽校でもそんな話は一回も出てこなかったし。
「被害及ぶことだってあるかもよ?話膨れ上がったら」
「別にそれでも構わん。僕は自分の身に降りかかる粉をはじくだけよ」
「……あんたの可愛がってる婚約者ちゃんが狙われても知らへんわよ?」
「大丈夫、僕の切り札を使っているから」
「……ムカつくわぁ、その余裕とそれ裏付ける確固たる能力。なんか不幸な目にあってほしおす」
「生まれからして不幸な僕から更に奪うというのか?」
「他人から何されようとも気にしいひんタイプの人間やろう?あんた」
「まぁ、そうではあるけど」
これまで冷遇された経験は数知れず。
だが、だからといって僕は何かしらの精神的なダメージを負ったことはない。
ここら辺に関しては無敵だと思う。メンタル面で僕に勝てる人間には早紀しかあったことがない。
早紀に関しては自分以外のものを真の意味で同格として扱っていないので、どうあっても心の底から傷付くことはないので勝てない。
いくら僕でも親しい人間が死ねば少なからずのショックは受けるだろう。
「というわけだから。別に僕はいつも通り生きるさ。あとのことは任せるよ」
「……種だけ蒔いて逃げ帰らんといてや」
「だが断る。僕は帰るよ、じゃあねぇ」
僕は不満げな陰陽頭を無視してせっせと家の方に帰るのだった。
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