陽校での生活
初日は早紀とバトルし、そして、負けてそのまま萎えて家へと帰った僕。
だが、二日目からはしっかりと僕は陽校の方に通い、しっかりと授業を受けていた。
「ふわぁ……」
なお、陽校の授業はほとんど僕にとって暇なものであるが。
あくまでここは学業よりも陰陽術、戦闘法が最優先での教育事項であり、一般科目はもちろん扱うけども、それがメインにはならない。
一番多く取られている授業が陰陽術並びに戦闘法の授業となっており、そして、これらの授業において僕が学びとなることは何もない。
だって、僕は呪力もなければ、その戦闘法も特殊極まるのだから。
「えーっと、こうすれば、いいんですよね?」
「あぁ、そうだ。基本的に戦闘する際に最も避けたいのが相手から視線を外すことだ。相手が何をしているのかわからない。そんな瞬間をほんの一瞬でも作りたくない。怪魔たちであればその一瞬の間にどんなあくどいことでも出来てしまうのだからな。だからこそ、相手から目を離さないようにして戦う。これは強く心に思って戦うことが大事だ」
「なるほど」
陰陽師の卵たちは当然として、佐藤さんのような生徒もスキルを用いての戦闘方法について学んでいる中。
「……あー、クソ、負けたぁ」
暇に暇を極めている僕は普通にゲームをして遊んでいた。
「」
「お前に負けるのとでは意味合いが違うんだよ」
僕は自分へと話しかけてきた早紀に視線をも送らぬまま言葉を返す。
「お前もちゃんと授業受けて来いよ」
「無理。私に教えられる人いない」
「なら、寝てろ」
「いや。ずっとしていたから。今は有馬がいる。だから、有馬としたい」
「はっ?僕は嫌だけど」
「二人で強くならない?模擬戦、という形ではなくちゃんと二人で鍛え、高めあっていかない?」
「……ちっ」
僕は早紀の言葉に舌打ちを返すものの、しっかりと彼女の方に視線を送る。
「わかった。いいよ、やろうか」
こんなところでゲームしているよりも、早紀と高めあっていた方が自分の益になることは確かだ。
自分ひとりで鍛えるよりも、同格レベルの相手と一緒に鍛える方が上がり幅も良い。
「……うんっ!」
僕は一時の恥を捨て、自らの成長を取るのだった。
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