自宅
学校から早退して自宅へと帰ってきた僕は。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ」
「のぉぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ」
「ぐぬぅぅぅぅぅぅううううううううううううううううううううう」
「ふぅぅぅぅぅぅぅううううううううううううううううううううん」
「はぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああん」
リビングの中でただただ後悔の声を大きくあげていた。
負けた……負けた……負けたぁ……あぁー、あぁぁぁぁぁ、くやしぃい。
ソファの上に寝っ転がる僕は大きく頭を抱えながらただひたすらに声を上げ続ける。
「あー、はいはい。また早紀ちゃんに負けちゃったのね」
そんな僕を見て、もうわかっていると言わんばかりの神楽が近づいてくる。
「今日の夜ご飯は出前にしようか。もう家事とかしたい気分じゃないよね?」
「……神楽が作ってくれてもいいんだよ?」
「炭と、私の指と、素材そのもののきゅうりとかが出てくるけどそれでも良ければ」
「……せめて包丁くらいは使えてくれよ」
命がけで怪魔と戦う陰陽師の一員なのだから、せめて包丁の一つくらいは使えて欲しいよね。
「無理ね。私は陰陽師の時でも刃物なんて物騒なものは使わないもの」
「……はぁー」
「ということで今日は出前にするわっ!」
神楽はちょっとばかりテンションをあげながらいそいそと様々なチラシを取り出し始める。
「……うーん。何がいいかしら?普通に配達アプリにあるものとかでもいいよねぇ」
「……」
「あっ、私たちだけじゃなくて今は早紀もいるわよね?あの子の分も考えて注文する必要があるわよね」
「……今日は絶対に締め出す。僕はピザが良いな。ピザは自分で作るのが難しいんだよね。僕は照り焼きピザがいいな」
「ピザならクォーターでしょ?」
どれだけ考えても自分の中から消えてくれない悔しさを持ちづける僕は八つ当たり的なことを口にしながら、いそいそと神楽の元に向かっていくのだった。
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