強化訓練?
「まずは各個人の名簿を確認して教官の名前と部屋を覚えろ。そのつぎは確認した部屋に行って戦闘スーツを着て待っておけ。」
指定された部屋に行くとそこには同じ隊のテンコ隊員がいた。
「久しぶりだなぁ、タマモ。15年ぶりくらいか。」
どこかで会ったのだろうか。覚えていない。テンコという名前を何度も見たことは覚えている。しかし最後に会ったといわれた15年前はだいたい3歳程度だ。覚えているはずがない。
「誰か全く覚えが無いですね。せいぜい家の道場で壁にかかっている門下生名で何回か見た気がするくらいです。」
「まあいい、これから剣術と鎌術、体術、走法、呼吸法をお前に叩き込む。できるだけついてこい。無理はするんじゃねえぞ」
返事をして訓練が始まった。数少ないマンツーマン指導で丁寧な訓練だった。
「一番初めはすべての基本である体の重心をとらえることだ。だから少し体感トレーニングをした後に体力テストをするその各種目の得点によって訓練の内容を考える。」
「了解」
7ヶ月ぶりの体力テストを受けて結果が出た。
「この結果から訓練内容を考えさせてもらう。この結果なら厳しいものになると思うが頑張ってついて来いよ。それじゃあ今日は終わり。」
それから総本部の食堂についた。いつもいるのは大都市の本部であるが、その大きさは総本部の食堂といつもの部署が同等の広さだった。地下施設が多いこともあるだろうが、ここまでくると逆にいらないだろとも思いながら奥の方に座ると、だんだんと席は埋まっていき、人が席を探す程にまでなってしまった。また料理の数も頼めば何でもあると思えるぐらいの種類があった。焼き魚からワイン煮込みまで、そして魚の種類も鮭のような一般的なものからクエのような滅多に見ないものまで。
「隊長久しぶりです。」
「久しぶりって昨日の小型バス以来じゃねえか。どうだあいつ。」
「剣術がにてるっていうか同じっていうか。取り敢えず強いことは重心と声のトーンに圧倒的余裕がありました。」
「あいつの剣術なたしか名前は静風幻狐流だったかな。由来は静かな風のような精神と騙す生物の狐からって聞いたことがある。」
「全く同じ剣術です。確かにテンコって名前見たことがあると思ったんです。」
そう話しているうちにご飯を食べ終えた。これから少し素振りをしてとこにつこうと思っていたら。
「総員至急出動準備、都市部に魑魅魍魎と思わしきエネルギー反応。推定レベルオーバー100。」
そのアナウンスと共に召集がかかった。
「強化訓練中だから戦えそうなやつのみ集めた。これからバスにのって移動してもらう。本個体はさっきのアナウンスの通りだ。君たちには副個体と余個体を始末してほしい。それでは以上出動。」
「了解」
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ついたときには本個体はまだ現れていなかった。
「副個体推定レベル99が6体レベル80が2体、余個体レベル30以下が40体。」
「ご苦労。では俺とシンコ組織長と本個体に備える。養成中生徒は戦えそうなやつのみ戦ってくれ。20もいるから協力すればたぶん倒せるはずだ。」
しばらく走っていると
「エンカウンター推定レベル80交戦に突入する。」
「了解」
僕は鎌を取り出した。魑魅魍魎の副個体は体の一部を剣状にしてこちらに攻めてくる。
受け流す。そのまま引っ掛かった刀身を回し相手に隙を作る。刃状にしたものは一度解除しなければ別のところを変えられない。これでチェックメイトと刃を立てたとき。後ろから物音がした。僕は咄嗟に横に避けていた。奇襲がレベル20じゃなきゃ死んでいた。気付いて良かった。
コインを出し、投げる。
「閃光」
辺りが激しく光る。そのままレベル20を切る。余個体は霧散する。こうやって消えるのかと思い、レベル80に向かう。
もう一度受け流しをする。しかし今度は全く攻撃の重さを感じない。かからなかった。斬りかかるとドンと衝撃が起きた。都市の明かりで薄くなったのかそれとも意識が朦朧としているのかわからないが微かに星空が見えた。殴られたのだった。一度食らった手は二回も引っ掛からない。かなり戦術が減った。痛みもひどいあと一度食らえば間違い無く死。ただしここで倒さなければ被害拡大。なんならこいつがレベルオーバー100になる可能性も否めない。動け、動け、動け。そう何度も自分に言い聞かせる。恐怖に押された感情が走る。
その時目の前に影が出てくる。その影はもう一度手を上げた。殴られる。沿う思い跳んだ。まだ動ける。そうしてコインを投げる。副個体は目を押さえた。
「閃光とは限らないよ。」
そういって僕は耳を押さえた。
キィィィンといった感じの音がなる。副個体は苦しんでいる。今だと腕を切り落とした。
「さすがに生えるだろうな。」
再生した。レベル60からは再生する個体が多いと聞いたから驚きはない。副個体は力を温存しているのか舐めてかかっているのか刃状になることがなかった。コインを取り出して跳ぶ。ここぞとばかりに副個体は腕をあげて殴られる。その場所にコインを挟み衝撃を押さえる。勢いを利用して鎌を首にかける。
その副個体の頭は勢いよく飛んでいた。勝ったんだと思い、次にいこうとして振り返ったとき。後ろから近づくなにかに気がついた。副個体は復活していたのだ。
「そういえばコアの破壊してなかったか。」
そう。レベル60までは力がないためコアの破壊をしなくても霧散する。なぜなら再生できないからだそうしてエネルギーとなった方が他個体を強く出来ると、合理的な理由により霧散するのだ。しかしレベル80。入隊3週間で倒せる相手じゃない。
「また同じ目に合わせてやるよ。」
再生した部分はさっきより堅い。ここは耐えしのぐしかないと防御の姿勢へ移行する。それに気がついたのか腕を刃状に変換していた。
それから5分ほど過ぎた。決着が着かない。
「レベル99交戦終了」
「同じくレベル99交戦終了」
そうしてレベル99の6体が全滅した。
「こちらタマモ、レベル80交戦中増援要請します。」
「了解」
そう返事したのはテンコ隊員だった。さらに3分ほどたったとき
「よく耐えたな。あとは俺がやる。」
そういうと刀を取り出し斬りかかる。すぐに終わった。その時間約30秒。
「こちらテンコ、レベル80交戦終了」
「同じくレベル80交戦終了。これにて副個体、余個体殲滅完了。本個体交戦終了次第任務終了します。」
「了解」
「こちらシンコ、レベルオーバー100交戦中増援として、部隊ナンバー01を要請する。」
「了解」
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この話の登場人物は一応現実の身体能力であり今回のお話に登場する武術は一応できるか試したものですが決してマネしないでください
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