第25話 そんな女性
こんにちは…
声のトーンは低く、自信のなさそうな印象を感じさせる。
声は多様でそれを売りにする人もいるほど魅力と需要がある。
しかし全ての声質が互いに素とは言えない。必ず似てる似てないがある。
声を聞いただけでそれなりの人物像が浮かぶことがよくあるだろう。
彼女の声からはよく言えば大人しい、悪く言えば元気がないように思えた。
おそらく彼女が今日のもう一人の主役だ。
そうでなければこの空気を遮って声をかけたりはしてこないだろう。
俺たちは振り返った。
彼女の第一印象は小さいだった。
おおよそ145 cm付近と言っていい、ものすごい小さいというわけではないので
生活上不便はなに一つだってないだろう。
ただし、悪い癖と言えば悪い癖だが、人間はある事象を相対的に見てしまうものだと思っている。
彼女は周りの女性、水無月や通行人と比べて、低身長なのだ。
そんな彼女の第1印象だったが、
彼女は十分とした美しさを持っていた。
見た目に丁寧な気配りが感じさせる。自分の身体に似合った服、髪の毛の艶が彼女が努力している証を証明している。
緊張しているのかもしれないな
水無月を見て先輩風を吹かしたくなった。
こんにちは、豊浦さん、今日はよろしくね
彼女の目を見つめ、少しだけ口角をあげ、そう言おうと思った矢先、
彼女が目をそらす。周りをきょろきょろし、どこを見ているのかよくわからない。
豊浦冴姫、今回3回目の挑戦だ。
彼女は今回ラストになるかもしれないという崖っぷちという状況にいる。
しかし目に不安げな光が宿っていた
厳しいな...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます