第12話 gifted
宮田に策略を感づかれてしまった。
嘘を言うことに関して罪悪感をとうに捨てた俺はへ
水無月に変わり、前に出た。
宮田は水無月というよりも後ろにいる俺に"恋愛関係のいざこざを持ってくるな"と
言っているように感じたからだ。
俺は水無月に比べて嘘は上手い。でないとこんな仕事はやってられない。
「もちろん首を突っ込む気はないよ、
ただ宮田がPCに強いかもしれないと思ったから声をかけてみただけなんだ。」
少しずつ焦点をゲームの方へ誘導する。
とぼけるのは逆効果である。
最終的には宮田の勘違いということで彼女は折れてくれたが実際、
疑いの目はやむことはそうないだろう。
どうして俺たちの目的が分かっていたのかはよくわからない。
プロポーズゲームに関してはまんまと餌に食いついてしまったのかもしれない。
あれで確信を持つにいたるのだろうか。学業と観察、洞察力は比例していいるわけではないが現象から論理的思考を得て何かの推論に達する経験を訓練がされていると思っている。この前のテストも平均点から抱いたい20点オーバーの科目ばかり。学校の教育レベルを考えると、あの授業だけであれだけ点数を取れることはないだろう。ますます彼女の孤高さは高くなっていくばかりだ。
次の手段として、わざと彼女を挫折に追い込むことを提案したが水無月はそんな俺を
よく言えばさげすんだ目で、目的に対して崇高な手段を倫理的側面から否定した。
恋人のふりをしているせいかそれなりの時間彼女と過ごした時間が増えたせいで、
すっかり威厳を損なってしまったようである。
彼女は組織の教育課程において周囲と比べ、挫折し精神が不安定になってしまった人間のことを思い出しているのかもしれない。
涸れたれた肌、枯れた心、限界まで日々追い込まれるあの日々は並大抵の人間には耐えることはできない。
だから変なやつばかりがいるのかもしれないな。
しばらくほったらかしにしていた瀬戸には
とりあえず宮田に関して試みたことを素直に話した。
特にいい報告が出たわけではなかったので、がっかり、もしくは不満を
二口ほど言われたかもしれない。
彼に対しては彼が魅力的になって宮田に好かれてもらうよう計画方針を立てた。
続いて五月雨だ。
彼女には瀬戸にはとりあえず思い人がいることは内緒ににしていおいて、
それなりアプローチを続けていると、仕事は順調ですという、
まいどの上司報告のようにしておいた。
「あのー、やっぱり、あの話、無しにしてくれませんか」
前回俺が彼女にそっけない態度を取って切り上げてしまったからか、
彼女も遠慮してしまったのかもしれない。
五月雨は用件だけ済ませた後、すぐさま校門へ行こうとしていた。先ほどから何かをきにしているのか携帯をよく確認しているのが目につく。
彼女が去ろうとしていたとき、スマホの画面を見るため、わざと強く腕を
ガッとつかみ、内容を確認した。掲示板のようなものが開かれたいた。
私たちに自由を 我々は選ばれた人類である 恋愛は不要だ
過度な思想である。五月雨のぎこちなさの正体がつかめたので
場所が書かれている箇所を記憶して、腕を話し、五月雨に軽く謝罪する。
彼女は無言で去っていった。
最近不自然なことがよく起こっている。
告白の失敗時の異常な拡散度、宮田に俺たちが疑われていること。
もしかすると、この学校で手を引いている奴が他にいるのかもしれない。
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