第10話 18禁幼女先輩
いよいよ当日がやってきた。私たちは暗い場所で朝、昼が過ぎついに午後4時半になった。
「行くよ!飛鳥、聖那!」
「「うん!」」
撮影会の会場は小会議室みたいな所だった。なんとなくグラビアはプールとセットのイメージがあったからとても新鮮だった。
「ようこそ!来てくれてありがとう!
予約してるのは3人でおっけーだよね?」
小さくて大っきいおっぱいのお姉さんがそこにいた。
グラビアさんはスタッフに確認していた。
その後、グラビアさんと私たちだけになった。
「シャッターチャンス到来っ!」
紀伊はここぞとばかりにスマホで連写。
「私も撮る!」
飛鳥ちゃんも負けずにパシャパシャ。
「ほら、そこの子も!沢山撮ってね!」
「あ、ありがとうございますっ!」
寝そべったポーズ、胸を突き出してもらったポーズ、お尻を向けてくれたポーズ。
棒アイスを加えてもらったりもした。
「たくさん撮れた~?」
グラビアさんが私の顔を覗き込んでくる。恥ずかしい。でも可愛い。
なんというか、幼さを感じるというか。
「それが魅力なのさ。」
横から紀伊が言った。
私、心の声が漏れてた?失礼だったかな。
「18歳以上なのに幼くて、小さいのに大きい胸。だからあたしは敬意を込めて18禁幼女先輩って呼んでる。」
「敬意込めてるのそれ?てか、先輩とか後輩とかって間柄じゃないし!」
「まあまあ聖那、小さいことは気にすんなって。」
「小さくないし!」
「面白いニックネームだね。」
グラビアさんが笑っていた。
「ははは、すみません。」
一応誤っておく。
「ところでもうすぐ撮影時間終わるけど、やり残したことはない?えっと、聖那ちゃんだっけ。」
「はい、そうです。大丈夫です。次の撮影はいつとか決まっていますか?」
私が訪ねた瞬間グラビアさんの顔は曇った。え、私何か傷つくこと言ってしまった?ごめんなさい、ごめんなさい。
「ごめんなさい、まだ決まってないんですよね、気長に待ちますので。」
「いや、そうじゃなくて。今日で最後なのかなって。」
「引退……ですか?」
「まあそんな感じかな。最後の撮影が可愛い女の子たちで良かったよ。」
「あはは、ありがとうございます。」
どうしよう、暗い雰囲気になってしまったからなんとかしないと!
「また、元気になったら撮影させてくださいね!三人で行きますから!」
「行きます!」
「撮りたいです!」
私たちは各々元気を出してもらうために声をかけて、その場を後にした。
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「私だってもっと撮影したかった……。」
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