第9話 ゾンビは光に弱い

「どうやって入ろうか……?」

私の頭では思いつかない。

ゾンビだということがバレてはいけないのだ。

「てか、なんで人間はゾンビって気づくんだろ。」

「においかなぁ……。聖那ちゃんはどう思う?」

「特性じゃないかな?光に弱いのは致命的な気がする。」

「くしゃみは関係ないのか。」

「関係ないよ!なんでそこで出てくるんだよ!」

思わず反論する。

「くしゃみの音とか違うのかなと。」

「それはこの前みんなでくしゃみして確認したでしょ!」

「うそうそ。みんなで作戦会議しよ。」

「まったく……。今から少し明るいところ行ってみよ、帽子とかサングラスとか色々試してみよう。」

「「さんせーい。」」

2人の賛同も得たので、早速行動開始!

まずは街灯の下。

「きついよぉ。」

直ぐに音を上げる飛鳥ちゃん。撮影の時間は20分なのでそれに耐えきらないといけない。

「飛鳥、帽子被ってみて。」

「うん、少し楽になった。頭が原因なのかな。」

「飛鳥頭悪いもんなあ。」

「悪くないよぉ。そういう意味じゃないし。」

「知ってる。でも冗談返してくれるくらいってことがわかった。」

「試したのね。でも少し体から力が抜けていく感じがする。」

「全身が原因ぽいな。聖那はどう思う。」

「私もそう思う。今度は長袖長ズボンに着替えてもらおう。」

「でも怪しくね?」

「季節も冬だし厚着しててもバレないと思う。」

私たちが話す横で素早く着替える飛鳥ちゃん。

「飛鳥ちゃん、どんな感じ?」

「行けそう!」

よし。私たちも着替えよう。コンビニが無人レジで助かった、万引き犯にはなりたくないもんね。

しかし、ここで問題が。

「ちょっとズボンが上がらないんだけど!」

「聖那、おしり縮めて。今から2人で上げるから。飛鳥、せーの!」

「「それ!」」

なんとか入った……。

「聖那ちゃん、ちょっとぽっちゃりしてますね。」

飛鳥ちゃんに苦笑いされちゃった。

「ちょっとというか、かなり。」

「ちょっと紀伊!?」

怒るよ!

「ま、いよいよ本番だ。会場近くで人が通らない暗い所あるからそこで待機するぞ。」

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