第8話 グラビアっていいよね

 コンビニ、誰もいなーい。

ゾンビが彷徨く夜に歩く人はいない。

無人のコンビニですることといえば……。


「グラビア見よーぜ!」

紀伊ちゃんに先越されちゃった。私も思いついていたのに。

「いいねぇ!」

飛鳥ちゃんにも先越された。

「グラビア、みんな可愛いしスタイル良いよねー!」

私から見ると遥かに遠い人達だ、目の癒し。

表紙を飾るグラビアさんの笑顔が眩しい!

ネットでもテレビでもよく見かけるグラビアさん、その上喋りも知的だ。

「やっぱこの人好きだわ。」

「聖那もそう思うよね。だけど最近グラビアの撮影もなくなっちゃったんだよねー。」

「ああ、悲しい……。」

「ほら、この人も。」

「身長170㎝の長身で有名になった人だ!」

「そうそう!他にも…。」

紀伊ちゃんと私が熱心に雑誌を読み漁っていると、飛鳥ちゃんが横からポツリとつぶやいた。

「この子はすごくちっさい。」

「どれどれ、まじだ!身長141㎝か!私が158ってのを考えると、うん。小さい。」

「飛鳥も154㎝ですが、ちっさいと思います!」

「てか、聖那意外と背高いよね。いくつ?」

「160ジャスト!」

「おっぱいに気を取られて背が高いことに今まで気づかなかったぜ…。」

「こらこら。」

「やっぱおっぱいは悪だ。」

「なぜそうなる。」

「この子、まだ撮影やってるみたいです。」

飛鳥ちゃんがつぶやく。

「行ってみたい。」

紀伊ちゃんが口にした。

「行こう。」

私がうなずく。

「撮影の日時は明日、午後5時。おそらく私たちが動けそうな時間帯ではあるねぇ。急に予定が決まったみたい。」

「行こう、飛鳥ちゃん。」

私も強くうなずく。

「まて、私も行くからな!忘れてないよな?」

「「maybe。」」

「その反応は図星のやつじゃん!二人とも!」

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