第7話 ゾンビウォーク
ゾンビ生活二日目。
朝。ゾンビとして迎える初めての朝。
今までは朝起きてベランダに出て日の光を浴びていたが、今はできない。
死んでしまう。
カーテンを閉めてできる限り太陽の光が入ってこないようにしたが、ダメだ全然動けない。
「体から力が抜けて動けない……。」
私はぐったりである。
「それな、それな。」
紀伊ちゃんも隣でぐったり。
「行動はまた夜になりそうだねぇ。今日も街散策する?」
と飛鳥ちゃん。
「そうしよっか、聖那も来たことだし。」
段々と意識が戻ってきたのは夕方になってからだった。
「お、動ける。」
「聖那も戻ってきたね。」
「聖那ちゃん、私まだきついよー。」
「ほら飛鳥元気出せー!」
飛鳥ちゃんが元気になったときにはすでに外は真っ暗だった。
ガチャ。
とびらあけてー。
「人誰もいないね。」
「ゾンビが出る時間に歩き回らないよう伝えられてるみたい。聖那、そこの掲示板見てみ。」
「ほんとだ。」
「今日は北街まで行く?1時間くらいで着くと思うし。」
「行ってみたい行ってみたい!」
興奮する私。
南街から北街へは一本道で繋がっている。だが、これまでは電車でしか行ったことがないので新鮮だ。
左右にオフィスが並んでいて、昼はおそらくとても人通りも多いのだろう。
またしばらく歩くと、次はホテルが左右に見えてくる。なるほど、出張で来てホテルに泊まるって訳ね。
「北は都会でしょ?でしょ?」
自慢する紀伊ちゃん。あなたは南の人間でしょう?いや、人間ではないか。
「都会ってすごいよね!高い建物多すぎてずっと見上げなきゃいけないよ!」
「首が取れちゃうよぉ。」
「ちょっとコンビニでも入ろーぜ。」
紀伊ちゃんに連れられ、私たちは無人のコンビニに入る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます