特訓開始

特訓。

それは、どのアニメにも存在する概念で、そういうイベントは【バトサモ】の世界でも起こるらしく


「よし!!今から特訓を始めるぞ!!」

「お〜!!」

「プッキュ!!」


今の俺は、角ウサギ......もとい、アルミラージの特訓を始めようとしていた。


何で特訓を始めるのかって?


そりゃあ.......あのキョウヤを見返すために決まってるだろ!!


というわけで、あのまま言われっぱなしなのも癪だから、アルミラージを特訓しようと思った。


思ったんだけど......


「何故に君までいるのさ.......」


どういうわけか、その特訓に眼鏡をかけた地味そうな少年......内木ウチキヒナタが参加していた。


内木ヒナタとは、アニメ版【バトサモ】に登場するキャラの一人で、いわゆる、弱いが故に悪役に唆され、悪に堕ちるキャラ..........なんだけど、何でまたここに!?


「え、えと.....ムサシくんから、タマくんのところに行けば強くなれるって聞いて....」

「....へ?」


ムサシ経由でここに来たのかよ!?


「タマは強いから、良い特訓が出来ると思うぞ!!」

「本当!!」

「プッキュ!!」


カリバーの言葉に対し、目を輝かせながら、そう言うヒナタとアルミラージ。


はぁ.....仕方ない。


こうなったら、ヒナタも特訓させるかぁ。


「今から特訓を行うが......この特訓はかなりハードだ。それでも付いていけるか?」


俺がそう言うと、ヒナタとアルミラージはしばらく考えた後、コクコクと頷くヒナタとアルミラージ。


それを見た俺は、ニヤッと笑うと


「じゃあまず、これを踏んでもらうぞ」


そう言った後、うどんの生地を指差すのだった。


「これって.....うどんの生地!?」

「プキュ?」


ポカーンとした様子で、そう言うヒナタとアラミラージ。


まぁ、そうなるよな。


「お前らは出会ってまだ間もない。だから、力を合わせてこの生地を踏み、友情を育め。いいな?」


ぶっちゃけ言えば、ただの思いつきだけど.....やってみるしかないよな。


俺はそう思いながら、ヒナタとアルミラージを見守るのだった。


「よいしょ....よいしょ........」

「プキュ.....プッキュ.......」


掛け声をしながら、うどんの生地を踏むヒナタとアルミラージ。


すると、最初はバラバラだった掛け声は徐々に重なっていき......いつしか、生地を踏む動きも、重なっていった。


「オォッ!!ヒナタとアルミラージの動きが息ピッタリになってきたぞ!!」

「うんうん、いい感じだな」


そんなわけで、この特訓を数日間に掛けて行ったところ.......当然ながら、ヒナタとアルミラージの動きに磨きが掛かり


「よいしょ、よいしょ」

「プッキュ、プッキュ」


いつの間にか、阿吽の呼吸のような関係性になっていた。


「二人とも!!いい感じだぞ!!」


ヒナタとアルミラージに対し、興奮した様子で、そう言うカリバー。


やがて、二人が踏んだ生地をうどんにした後、食べてみると......そのうどんは、ちょうどいい喉越しとコシのある食感のある、最高のうどんが出来上がったのだった。


「うん、美味い!!」

「二人が頑張ってるんだ分、コシと喉越しが最高だぞ!!」


うどんを食べながら、俺達がそう言うと.....ヒナタとアルミラージの顔が明るくなったのは、言うまでもない。


「ほら!!ヒナタもアルミラージも食べてみろよ!!」


そう言った後、ヒナタとアルミラージに対し、うどんが入った器を手渡す俺。


ヒナタとアルミラージは、そのうどんを食べると


「美味しい!!」

「プキュキュッ!!」


目を見開いたかと思えば、美味しそうにうどんを食べ始めた。


「俺が思うに、サモナーとモンスターの関係性は......うどん作りと同じで、互いのことを信用しないと成立しないんだよ。だから、今のお前達なら大丈夫だ」


俺がそう言うと、ヒナタはハッとした顔になった後


「......やっぱり、タマくんに頼んでよかった」


ニッコリと笑いながら、そう言った。


「プキュ!!」


と、その時......アルミラージの体が突然光り輝いた..........かと思えば、その光は消えるのだった。


「......アルミラージ?」


.....そういえば、カードが進化した時も、モンスターの体が光り輝いていたな。


ん?進化。


てことは......


「アルミラージ、カードに戻れるか?」

「プキュッ!!」


そう言った後、カードに戻るアルミラージ。


そのカードには、アルミラージ.......ではなく、【幻角獣】ジャッカロープと書かれていた。


「おいおい、マジかよ」


アルミラージが......進化しちゃったよ!?



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