第13話 可愛い×カッコイイ
───夜の公園。
僕がベンチに座ってると、翔が来た。
僕の胸ぐらを捕まえるとあのバカ力で僕を釣り上げてキスした。
「いいから戻ってこい。『僕が潰れる?』甘く見ないでくれる?僕はあの地獄を生き抜いたんだよ?稜太が居てくれたから生き抜けたんだよ?それに僕が稜太の本質知らないとでも?
僕に抱いて欲しくて夜な夜な一人で鳴いてたのも僕は知ってる。僕に抱きしめられてツンケンしながらも安心してた稜太も知ってる。でも、稜太は基本僕が可愛い。だからその匙加減くらい出来るはず。違う?…逃げるな!!僕は逃げないでここに来た!!僕こんなんだけど、でも稜太のことわかってるつもり!本当は甘えん坊なのも知ってる!!だせばいいじゃん!出せよ!!僕はどんな稜太でも受けとめるから!…どんな稜太でも大好きだから。」
「お前この距離で唾かけすぎ。」
僕はそれだけ返して頭に手を回して優しくキスした。
一度離れると、「稜太?前にも言ったけど、僕は稜太から責められるのは気に食わない。稜太は僕を死ぬほど可愛がって、僕はそれを手の中で転がすの。僕のやり方で稜太をあいしてあげるから。だから大人しく僕を『いい子』してて?…ね?」
もう一度僕からキスしようとすると、
「はい。おあずけ。僕が欲しかったらとっとと戻ってこい。わかった?」
「は、はい…。」
僕は久しぶりに見る翔の可愛い×カッコイイにまたやられていた。
「…いい子。稜太、僕は稜太が大好きだよ?」
(可愛い…。)
「…キス欲しい?」
「欲しい。」
「なら目開けて。開けたらしてあげる。一度目開けたらもう閉じないで。また閉じられたら僕が稜太を抱けなくなる。」
「……。」
「ね?僕が欲しいでしょ?じゃあ目開けて?」
――――――――――――。
「稜太…おかえり。」
翔は僕の目を見たあと、本当にキスをした。
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