第10話 帰れない

──────月が綺麗な夜。


「……稜どこ?まだ帰らない?」


夜10時。帰りが遅い僕にLINEが入った。

いつもより遅い事や、連絡が無いことに不安を感じて送ってきた。


無視したくはないが、意図的に無視していた。

今のメンタルのまま帰りたくなかったから。


暗い公園のベンチで座ってぼーっとしていると、

足音が近づいてくる。すると翔が僕の隣に座った。



「稜太、ちゃんと帰ってきて。不安だから。怖いから。稜太居ないと怖い!」

「…ごめん。」


「帰ろ?ご飯も作ってあるからさ。」

「ごめん。帰るか。」


────────────。


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