第7話 思考回路

「翔。」

「……」

「翔。」

「……。」

「かけ!」

「うん?」


朝ごはんを2人で食べてる時に、翔の異変に気付いた。いつもおっとりしてるけど、今日は…多分…聞こえてない。


僕は真っ直ぐに翔を見て言った。



「病院行こう。」と。

「嫌だ」。


翔が普段より少しだけ大きい声で拒否した。


「お前、わかってんの?」

「自分のことだからわかる。じゃあ聞くよ?『聞こえない僕』は嫌い?捨てちゃう?」


「お前がそう思うなら行かなくていい。それに俺、聞こえてようが聞こえてまいがお前とは話せる。手話もあるし。」

「でしょ?だからピービーわめかないで。」


「は、はい…。」


翔は少しずつ翔の母親に似てきていた。

可愛い、綺麗、美しい…。



「稜太」

「ん?」

「何考えてんの?」


翔の視線の先を見ると反応していた。


「いや、その、お前が可愛いなって思って顔みてた。」

「…別にいいけど。」

「ごめん、そんな話してないのに。」

「いいよ。『可愛い』って思ってくれてるなら。……どうしょうもないね。」


僕のそこを見て翔が色っぽく笑う。

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