第5話 意思表示

───「稜太」

「うん?」

「相談があるんだけど。」

「金か?貸すほどないぞ。」

「大丈夫。ぼくのほうがあるから。」

「そうだった。」


「あのさ」

「うん。」

「本当は待ってたんだけど全然言ってくれないからさ。」


そう言って食卓テーブルの向かいから立ち上がって僕の方に来ると僕の顎を上げて目を見る。


「なに。なに言って欲しいの。」

「……ねぇ、もう僕、ここで暮らしていい?稜太のご飯もちゃんと作りたいし、一緒にお風呂入ったり寝たりしたい。もう帰りたくない。」

「居たいなら居ていい。」

「りょうは僕にいて欲しい?」

「いて欲しい」


「ならよかった……。」

「……。」

「キスしてほしい?」

「してほしい。」


翔は僕に催促させる。

でもある意味これが色んな方面で役に立ってる。

自分の意思をちゃんと出せるようになってきたから。

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