第5話 合流
ーーハルと別れてから6分程
本当は駆け出してでも向かいたかった…けれどココは任務で
事態を悪化さればハルが危険になる
「ローン、ステイン、応答して下さい……」
桔梗は1分毎に無線機で声を掛けていたが全く反応が無い
「(どうすれば良いの?もし二人が殺られていたら)」
「(私一人でもハルを助けに行かないと…)」
そう思った、その時
ドンドンドンドン
4発の銃声が森の中で鳴り響いた
聞き馴染みのある音へと桔梗へ向かった
銃声がなってから1分程
桔梗の無線機から
「……びっちまったんじゃねぇのか?」
「はぁ?俺が?」
「そうだろう?『お互いあの世で楽しくやるか?』だよ!俺は行かねえから一人で行って来い」
この声はステインだろう、相変わらずローンを煽っていた
「お前こそ俺に泣きついてきたじゃねぇか、可愛い可愛いステインちゃん」
「俺が、いつ!泣きついたって?」
「うっふぉん」
ローンが一回咳払いをして甲高い声で
「『マズイ状況なんだが助けてくれ〜!!』」
と馬鹿にするように言った
「ローン……」
ステインはピキピキっと聴こえてきそうなオーラを放ちながら文句を言いそうだったが
それは桔梗に遮られた
「ローン、ステイン!!」
無線機から桔梗の声が聴こえてきた二人は「おう」「心配いらねぇ」と答える続けてステインが
「デートはもう良いのかぁ?」
と言うが一瞬、ほんの1秒程だろう
その一瞬でローンとステインは何かを察した
ローンは桔梗な
「副隊長と桔梗、今何処にいる状況は?」
「さっきの4発の銃声はローンでしょ?私は今ローンの方へと向かってる、ハル…副隊長は……」
ーー
ー
桔梗は
何者かが先に侵入していたような
無線機がジャミングされている事
ハルと桔梗が排水路で分断された事
事の
ーー
ー
そしてローンが
「コイツぁ状況だけ見るとマズイ事になってる、ステイン!今の話を聴いて、どう思った」
「あぁ俺達は無線機を使っていても全く問題無かったつまり…」
ステインが答えるとローンが続けて
「そうだステイン局地的にジャミングされている、つまり俺達を最初から分断するつもりだった、そして今は副隊長一人だ、恐らく排水路の先は待ち構えられている…」
それを聴いた桔梗が
「助けに行かないと!ハルがっ!!ハルがぁぁ!!!」
と無線機が壊れそうな爆音で叫んだ
「おぃ!落ち着け、今叫んで排水路まで戻って無理やり行っても同じ事だ、そもそも二人でどうにもならないから俺達の所へ来たんじゃねぇのか?お前の性格だ、そんな危機的な状況で副隊長から離れる訳が無い、つまり副隊長には考えがある筈だ、それに副隊長は賢く強い!」
とステインが桔梗を鎮める
「んくっ………わかった、ありがとうステイン……今の状態だと、ハ…副隊長と連絡が出来ない、ジャミングを解除する事を優先させた方がじゃないかな?」
と気持ちをグッっと押し込めながら桔梗が言った
「そうかもな、ジャミングの無効が最優先で良いかものな!…おいローン聴いているのか?」
とステインが暫く一切喋っていないローンへ無線機で語り掛ける
「桔梗の話から、俺なりに推測したが腑に落ちない事が
一つ目は、俺達と戦った奴らだ、最初はのセキュリティ、
確かに複数の奴らが殺そうとして来たのなら警備の枠を越えている
「二つ目はジャミングだ、この会社のセキュリティなのか?もしかしたら例の
三つ目は、この施設その物だ武装した警備員こそいないがライトの量が尋常じゃない国境にある検問所かココは?それに立地も悪過ぎる」
桔梗はローンの話を聴いて
思い出している事があった
新しめのタイヤ痕…
もしローンの読み通りなら、ある意味チャンスかも知れない
完全な賭けになるけど、陽動にもなる
「ローン、ステイン少し考えがあるんだけど、もし罠がハッカーなら
桔梗は作戦を立てて二人に説明し始めた
ーーー
ーー
ー
ーー数分前
ハルは桔梗と別れてから排水路を先へ進んでいた
排水路を突き当りまで行くとパイプフレームの車が有り、後ろには小さ目のクレーンの様なものが取付けられていた
「コイツを使うか…」
そういうとハルは車の横で屈むと
サイコロサイズの黒く小さな金属の箱を車体の底部に近付けた
すると強力な磁石が入っているようで黒い箱は車体に、しっかりと張り付いていた
「よし、先に進むか…」
そして排水路を進むと扉が有った
どうやら先客もこの先へ進んでいるらしく扉は一部が壊されて開いたままになっていた
警戒しつつ扉から中へ
そして本来の目的地であるサーバールームへと向かって行く
ーー
ー
サーバールームへ辿り着き
更に辺りを警戒していると
ハルの後ろへ天井に設置してあるプロジェクター?の様な物から紫色の淡い光が集まった
すると巨大な女性の顔のような物が浮いて現れた
ハルは直ぐ様後ろに振り向きながら銃を構えて撃とうとしたが
「?!ホログラムか?」
噂では聴いたことがある
何でも本当に目の前に居るような画像だと
ハル自身、目にしたのは初めてだった
「zzzはzzじzzめまzしzでzて」
とノイズを載せながらホログラムがハルに喋り掛けてくる
そしてノイズが徐々に収まり
「初めましてハル」
名前を呼ばれ後ろに振り向き、
「君は誰だ!!」
ハルが質問するが言葉を無視し
「ハル、貴方をずっと探していた、待っていた、待ち続けた、ハル……貴方をココに呼んだのは私です」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます