第3話 罠
起床して制服を脱ぎ部隊服に着替えて装備を整えて行く
「横で折角お着替えしてるのに私も下に着てるんだぁー残念だね〜」
とイタズラっぽく見てきた
俺は呆れ顔で「はいはい」と答えた
これが彼女なりの優しさだと感じてはいる
俺が仮とは言え、部隊長としての初任務だ、失敗は許されない
恐らく緊張が伝わってしまったのだろう
「ねぇ〜お・な・か!触ってみるぅ?」
……いるのだと思う…
そんな俺の反応を楽しんでいるのか前に乗っていたローンとステインはゲラゲラと笑いながら車を降りて俺達に「(早く降りてこいよ)」と言わんばかりに手を振っていた
………
……
…
車を降り森の中を徒歩で5時間程
時刻は深夜1時
真っ暗な山の中
一際明るい建物がポツンとあった
「ここが目的地のゲーム会社のサーバー管理施設であっているか?」
俺はローンに確認する
「ハル《サー》、ココが目的地で間違いないありません」
「ステイン建物付近に異常は無いか?」
「ハル《サー》正面、問題ありません」
先程までの空気と変わってピンッと張り詰めた糸の様になっていた
「ローン、ステインここからでは全体の確認が出来ない、右回りにローン左回りにステイン確認して来てくれ、俺達は情報にあった排水路を確認して来る、何かあれば無線で連絡を」
「「ハル《サー》・イェッサー」」
首をクイッと傾けると桔梗は
「了解」と返した
………
……
…
俺達は5分程歩き、高さ2m程の大きな排水路に辿り着いた
「情報通りだ、各種センサーで確認したが何も無いな、ライトを点ける」
ハルは排水路の中を確認する
ある程度長い排水路ではある物の400m程で突き当りになっていそうだった
民間のゲーム会社だ、そんな特殊なセキュリティなんてあるわけ無いか
そもそも、この情報がデマである事もあるが……
気になる点はあるが、罠の類が無い事を確認したのでタクティカルライトを点けた
「ハル《サー》、少し気になる事が…」
排水路近くの茂みや排水路をライトで照らし安全確保をしていた桔梗が
「この排水路水が流れた後は有るのに、今は一滴も流れていないんです、それにタイヤ痕の様なものが……」
その瞬間背筋が凍るよう悪寒がした
マズイと思いローンに無線機で知らせようとしたが
「………ジャミングされている」
「一旦二人に合流する、合流した後何が起こっているのか状況の把握をする……?!」
そう言いながら排水路を出ようとした時、排水路の格子が起動してハルは出れなくなった
幸いにも桔梗は排水路外部の様子を確認していた為、動ける状況だった
「ハル!?」
桔梗は焦った表情でコチラを見ていた
「大丈夫だ、落ち着いてくれ」
そういうと少し不安そうな表情をしたが一度大きく深呼吸をしてから
「ハル《サー》問題ありません」
と返した
「よし、桔梗、先ず二人と合流して外に異常が無いか確認異常があった場合はプランAで進行、俺は中に行く最悪の場合はプランᗷだ」
「それって最悪の場合、ハルが死んでるってこ……」
桔梗の言葉を遮り
「いいな!」
と俺は言い放った
「ハル《サー》了解であります」
そういうと桔梗は小さな声で「待っててね必ず来るから」と言って走って行った
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