第2話 仲間達 〔m〕

ドンドン


ダッダッダッダッ


バンバンバン


ドゴッーン


彼方此方あちらこちらから銃声と爆発音が鳴り響く


ハル

「(ここは………どこなんだ…銃声…か?)」



ボヤケた視界、混濁した意識

そこに、とても小さな少年が瓦礫になった建物が散見している道を歩いている

ハルには


少年

「パパぁ〜、ママぁ〜、どこー?、ねぇ?…パパぁ〜!ママぁ〜」


ハル

「(俺は飛んでいるのだろうか?)」


少しずつハッキリし始めた視界は明らかに

泣いている少年を上空から見下ろしていた


そしてハルは何となくだけど

少年を視ているとな気持ちになった


少年を視ていた次の瞬間

テレビの砂嵐スノーノイズが視界に広がり

先程とは違う場所になっていた

そしてハルは上空の視界から

少年の視点になっていた

そして少年の前には一人の女性が倒れている


??

「名前は…何と言う……」

少年の左上から男の声が聴こえてきた


少年は声の主と、手を繋いでいる


そして少年は声のする方へと視点が動く

するとそこにはがあった


男は倒れている女性をジッと見つめ


少年は言う


少年

「…ル……ハル、です。」


男は言う


「俺の名は竜胆りんどうだ」


少年の手を握る男の手が少しだけ気がした


………


……




「っ長…起…て……さい…」


「着い…ぞ……やはり………まだ…供…よな……」


何かが遠くの方で聴こえてきた気がした


「そ……だ…私が……で…熱いキッ……」


「!?」


何かを感じて反射的に、右手に鞄、左手にライトを構えた


桔梗ききょう

「あーー起きちゃったぁ〜」

と真横にいた桔梗ききょうが拗ねた表情でコチラを見ていた


ステイン

「流石は隊長の息子だなぁー」

とニコニコと笑ってコチラを見ていた


運転している男

「今のに反応したって、こたぁ身の危険を感じたんだろうよ」

とローンは納得した様な苦笑した様な表情で俺を見ていた


……




【時は少し遡り】


今度は運転席にいた男が話しかけてきた


運転している男

「お疲れの所、申し訳無い。だが急用だったもんでー」

男は後部座席をルームミラー越しにチラリと視て


運転している男

「あぁーー二人でだったんですか?ソイツぁ〜邪魔しちまいましたねー」


何を言っているのかわからず

男の視線の先を見てみると

俺に抱き付いて肩に頬をスリスリしてきている桔梗がいた

俺は半ば諦め男に返事をする


ハル

「ローン…これは誤解だ」

というとローンが豪快な笑いをしながら「ソイツは失礼しました」と楽しそうに言ってきた

ハァーと深い溜め息を付いた後


ハル

「それで?作戦は?どうなっている」


ローンはキリッとした表情に変わり


ローン

「はい、奴らは今まで大手ゲーム会社の子会社からネット経由でハッキングを行い、数多あまたのデータ盗んでいます」


ステイン

「開発途中のゲーム、取引先のデータ…データ化しているなら何でもです、設立時の資料まで盗んでますねぇ」


ローン

「しかし今回の情報では直接ちょくせつサーバーにデータを盗みに来るらしいです」


ハル

「……今までネット経由でのハッキングだった、今回の奴らハッカー

一般的なハッカーでは無いのかもな

魅力的なデータお宝が有るとしても

大手とはいえ、それこそゲーム会社に対して

直接侵入してまでハッキングするにはリスクが高過ぎる

…つまりリスクが大きくても奪う必要がある……と

つまり相手は潜入でも戦闘でもプロの可能性が高い、そして、そういうプロを雇える、俺達の様な秘密勢力シークレット フォースかも知れない…あるいは、別の何か……俺達か?」


ローン

「そうなるとサーバールームへ行く事か……」


ステインが

「ソイツらは、状況から考えて俺達をおびせるのが目的って事か?」


俺は小さく頷いた



……


数分経った頃、横で桔梗が小さな寝息を立てていた


それを見て、俺は小さく微笑んだ

桔梗がこんなをしなくて済む世界なら良かったのに…


たまに思ってしまう…


しかし現実は甘くない

否応なく俺達は任務をしなければ無い…

そういう運命さだめなのだろう


俺はそっと俺の肩に寄り掛かる桔梗を見ていた……


ローンが、そっと桔梗を起こさぬ様、小声で

「副隊長もお疲れだと思うので寝ては如何ですか?体力を消耗している状態でずっと張り詰めては、いざという時に動けなくなりますよ、まだ現場周辺まで1時間半は掛かります」


俺がルームミラーをみると、ローンが軽くウィンクをしながらニコッと微笑んできた。


俺はその表情を見ると少しだけ安心して眠りに付いたのだった


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