第4話 不良集団の長
☆
強敵だと思う。
というか脅威だと思う。
私はそう考えながら死んだ目で千鳥という人間を見る。
千鳥は真顔のまま私を見る。
「こんな小汚い真似をしないで正々堂々と話して。何かあるんでしょ。貴方も私に言いたい事が」
「...アンタの事が気に入らない。...アンタは私の完全な脅威だ」
「そう。私が脅威、ね。...まあどうでも良いけど。貴方はそう思いながら自分を満たしているだけじゃ無いの」
「お、おい」
「待って修二。話をつけておかないと妹さんはいつまでもこのままだよ」
そう言いながら千鳥は私を見る。
私は歯を食いしばってから「ちっ」と舌打ちしてから踵を返す。
すると「待ちなさい」と声がした。
私は「何」と反応すると「貴方...粛清したらしいわね。自分の浮気相手を。全てがそれでうまくいくとは思わないでね」と言ってくる千鳥。
「...粛清じゃないし。生きているし」
「ゾンビにしたんでしょ。でも」
「...馬鹿になっただけだよ。...ただ単に」
「...」
「貴方もそうならない様にね。ウザいから」
それから私はつまらないという感じでコンビニに行く。
そして私は歯を食いしばりながらアイスを買う。
あーウザい。ウザいウザい。
本当にうっざい。
☆
「修二」
「...?」
「私、決めた事がある」
「...何を」
「あの子を矯正する」
「無理だろお前。そんな滅茶苦茶な」
「無理じゃない。...私が不良だったからには。不良集団の長だったしね」
俺にそう告白する翔。
そんな言葉に「...」となる。
確かに千鳥翔は...不良だった。
そして今、眼鏡をたまに使っているのは視力が極端に落ちている為。
敵勢力の殴られた外傷によって、だ。
「...お前がそれをするのは良いが...俺はお勧めしない。アイツは矯正のしようが無い」
「それはやってみないと分からない」
「...しかし...」
「あの子を見ているとかつての私を思い出すし」
「...確かにそうだが...確かにお前が...」
「あの日救えなかった事があった。十分でしょ。理由には」
そう言いながら翔は「...お茶有難う」と言う。
それから眼鏡をかけた翔。
本気モードに入った。
不良の元長だった翔が、だ。
「...何でそこまでしてくれるんだ」
「当たり前でしょ。貴方の恋人なんだから」
「...直にそれを言われると恥ずかしいんだが」
「それを言わせないで」
「...はいよ」
そして話しているとドアが開いた。
それから挨拶して舌打ちし苛立つ様に現れる明日香。
俺はその姿を見ながら居ると「明日香さん。今日から私、貴方と知り合いになりたいんだけど」と言い出す。
「基、貴方と友人に」とも。
「いや意味分からない。何を言っているの?アンタ。私はお兄ちゃんしか見てないしアンタ必要無いし」
「私はあくまで私なりに貴方に関わって行くつもり。...貴方のヤンデレは異常だから」
「...これはヤンデレじゃ無いんだけど。...ただお兄ちゃんを想っているだけ」
「まあそういう割には行動が駄目な事ばかり。私は貴方を修正する」
「...話にならない。...じゃあね」
明日香はそのまま手を振りながら去って行く。
すると翔は溜息を吐いた。
それから「明日香さん」と声を掛ける。
明日香は無視して去って行く。
「...言ったろ。時間がかかるって」
「時間は掛ける。...あの子を矯正するなら」
「...何でそこまで危険を冒すんだ」
「それは貴方の恋人であり貴方の大切な妹だから。何度も言わせない」
「...」
『話し掛けんな。クソが』
ついこの間の事がこんな事になるなんてな。
このセリフは金髪でピアス塗れだったコイツが言っていた。
俺に出逢ってからは何もかもが変わっていったが。
そう思いながら俺は苦笑する。
「...なあ。翔」
「...何?修二」
「お前はよく卒業できたよな。...その。不良集団を」
「...全ては貴方のお陰。全部ね。だから恩返しの時だよ」
そう言いながら翔は俺を見る。
俺を見ながら柔和になる。
そして真剣に考えながら「先ずは彼女と分かち合いたいな」と呟く。
俺はその言葉に「ゆっくりだな」と言う。
翔は「そうだね」と返答をした。
そして翔は立ち上がってから「...あの子の部屋は」と言い出した。
俺は目を丸くして見る。
それからそのうちに俺は案内した。
アイツの部屋に。
付き合っている義妹が浮気した挙句の後にヤンデレ化した。意味が分からない! アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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