第4話 不良集団の長


強敵だと思う。

というか脅威だと思う。

私はそう考えながら死んだ目で千鳥という人間を見る。

千鳥は真顔のまま私を見る。


「こんな小汚い真似をしないで正々堂々と話して。何かあるんでしょ。貴方も私に言いたい事が」

「...アンタの事が気に入らない。...アンタは私の完全な脅威だ」

「そう。私が脅威、ね。...まあどうでも良いけど。貴方はそう思いながら自分を満たしているだけじゃ無いの」

「お、おい」

「待って修二。話をつけておかないと妹さんはいつまでもこのままだよ」


そう言いながら千鳥は私を見る。

私は歯を食いしばってから「ちっ」と舌打ちしてから踵を返す。

すると「待ちなさい」と声がした。

私は「何」と反応すると「貴方...粛清したらしいわね。自分の浮気相手を。全てがそれでうまくいくとは思わないでね」と言ってくる千鳥。


「...粛清じゃないし。生きているし」

「ゾンビにしたんでしょ。でも」

「...馬鹿になっただけだよ。...ただ単に」

「...」

「貴方もそうならない様にね。ウザいから」


それから私はつまらないという感じでコンビニに行く。

そして私は歯を食いしばりながらアイスを買う。

あーウザい。ウザいウザい。

本当にうっざい。



「修二」

「...?」

「私、決めた事がある」

「...何を」

「あの子を矯正する」

「無理だろお前。そんな滅茶苦茶な」

「無理じゃない。...私が不良だったからには。不良集団の長だったしね」


俺にそう告白する翔。

そんな言葉に「...」となる。

確かに千鳥翔は...不良だった。

そして今、眼鏡をたまに使っているのは視力が極端に落ちている為。

敵勢力の殴られた外傷によって、だ。


「...お前がそれをするのは良いが...俺はお勧めしない。アイツは矯正のしようが無い」

「それはやってみないと分からない」

「...しかし...」

「あの子を見ているとかつての私を思い出すし」

「...確かにそうだが...確かにお前が...」

「あの日救えなかった事があった。十分でしょ。理由には」


そう言いながら翔は「...お茶有難う」と言う。

それから眼鏡をかけた翔。

本気モードに入った。

不良の元長だった翔が、だ。


「...何でそこまでしてくれるんだ」

「当たり前でしょ。貴方の恋人なんだから」

「...直にそれを言われると恥ずかしいんだが」

「それを言わせないで」

「...はいよ」


そして話しているとドアが開いた。

それから挨拶して舌打ちし苛立つ様に現れる明日香。

俺はその姿を見ながら居ると「明日香さん。今日から私、貴方と知り合いになりたいんだけど」と言い出す。

「基、貴方と友人に」とも。


「いや意味分からない。何を言っているの?アンタ。私はお兄ちゃんしか見てないしアンタ必要無いし」

「私はあくまで私なりに貴方に関わって行くつもり。...貴方のヤンデレは異常だから」

「...これはヤンデレじゃ無いんだけど。...ただお兄ちゃんを想っているだけ」

「まあそういう割には行動が駄目な事ばかり。私は貴方を修正する」

「...話にならない。...じゃあね」


明日香はそのまま手を振りながら去って行く。

すると翔は溜息を吐いた。

それから「明日香さん」と声を掛ける。

明日香は無視して去って行く。


「...言ったろ。時間がかかるって」

「時間は掛ける。...あの子を矯正するなら」

「...何でそこまで危険を冒すんだ」

「それは貴方の恋人であり貴方の大切な妹だから。何度も言わせない」

「...」


『話し掛けんな。クソが』


ついこの間の事がこんな事になるなんてな。

このセリフは金髪でピアス塗れだったコイツが言っていた。

俺に出逢ってからは何もかもが変わっていったが。

そう思いながら俺は苦笑する。


「...なあ。翔」

「...何?修二」

「お前はよく卒業できたよな。...その。不良集団を」

「...全ては貴方のお陰。全部ね。だから恩返しの時だよ」


そう言いながら翔は俺を見る。

俺を見ながら柔和になる。

そして真剣に考えながら「先ずは彼女と分かち合いたいな」と呟く。

俺はその言葉に「ゆっくりだな」と言う。

翔は「そうだね」と返答をした。


そして翔は立ち上がってから「...あの子の部屋は」と言い出した。

俺は目を丸くして見る。

それからそのうちに俺は案内した。

アイツの部屋に。

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付き合っている義妹が浮気した挙句の後にヤンデレ化した。意味が分からない! アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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