第四章 メガネ

「俺の祖父。あれが正真正銘、畑掘はたぼり上吉うえきちだ」

「え?」

「だから俺の祖父の名前が上吉だ!」

「マジで?」

「まじで」


 まじか……。

 初めから聞いていればよかった……。そんなことを僕が思っていることも知らずに比奈斗が話しかけてきた。


「それで?あの上吉がどうした?」

「渡すものがあるの!」

「あぁ――っ!そんなこと言ってたな!」

「記憶力ゴミ過ぎないか!?」

「まぁまぁそんなこと言わずに、とりま家に来な!」

「ならそうするよ」



 比奈斗の家に着いた。家に入ると老人が夕飯の準備をしていた。

「ただいま!じいちゃん!」

「よく帰ってきた比奈斗」

「見ろよ!照馬がこれ買ってくれたんだぜ!」

「マジで買ったの!?……それでおぬしが照馬か……」

「こんにちは!今日比奈斗と知り合った草野 照馬です!今日は上吉さんにおじいちゃん。茂蔵じいちゃんから頼まれた手紙を渡しに来ました」

「どれどれ?」

「これですよ」

 僕が上吉さんに手紙を渡す。上吉さんは手紙を見始めた。

「最近老眼のせいかよく見えないんじゃよ」

「そうなんだ……」

「やっぱじいちゃん。そんな眼鏡よりもアズキルーペ買えよ!」

「この愛用メガネのほうがよい!」

「そうか……」

「それより手紙だよ!」

「そうじゃった。どれどれ……」



――少しの間、上吉さんはおじいちゃんの手紙を読んだ。そして比奈斗に吐き捨てるように言った。

「比奈斗」

「なに?」

 前、おじいちゃんが言ってたから大体どう言うか察した。

「照馬と魔王討伐に行け」

「え?別にいいぜ」

「すんなり引き受けやがったコイツ!?」

「そんなことより僕の部屋に来いよ。例のやつ見せてやる!」

「まぁいいけど……」

 僕たちが2階にある比奈斗の部屋に行く時にときあるものが目に止まった。

「あれ?これってわーぷくん?」

「そうじゃ」

「そういえばわーぷくんは大体の街にあるって言ってた!これでいつでも家に帰れるぞー」

「いや帰ってどうすんの……」

 比奈斗の部屋に着くと沢山の機械か転がっていた。

「見ろ!俺の開発品。『ステータス覗き見メガネ』だ!」

「なんだよその犯罪感ある名前……」

「とりあえずかけてみろよ!」

「どれどれ……」

 メガネを試しにかけてみた。

 度が合ってないとかはないな……

 僕は比奈斗を見る。するとステータスが浮かび上がってきた。


Lv.8

HP 100

MP 357

攻撃力 1

防御力 4

素早さ 94

魔力 288

才能 土魔法(大) 雷魔法(中) 

特技 わーぷ瞬間移動ロック岩生成イナ小雷撃


 おー!見えた……ってえぇぇぇぇぇ!?


「お前レベル8のくせに攻撃力と防御力一桁だぞ!?」

「それがどうした?」

「どうした?じゃねーよ!そんなんじゃスライム一匹に殺されるわ!?」

「そうか?」

「そうだよ!?」


 そんなことを話していると、上吉さんの声が聞こえた。

「もうご飯じゃぞー!照馬くん!今夜は泊まっていきなさい!」

 僕達は一回のリビングへ行った。



 いつも間にか夜になっていた。僕はベットに着いた。

 寝ようとするがいつもと違うベットで全然寝れない。そして僕は思った。

「帰って寝よう!」

 うん帰った。もちろんわーぷで。



――翌朝。比奈斗の家に行くと比奈斗がやってきた。

「どこへ行ってたんだよ!」

「ベットで寝ずらいから帰った」

「何も言わずに帰るなよ!?あと理由しょうもねーそんなんじゃ旅にもいけねーよ!?」

「安心して!いつでも帰れるから!」

「安心できるか!?」


 そんなことを話していると上吉さんがやってきた。

「地図じゃ。これで次の町へと行けるじゃろう……」

 次の街への地図を渡してくれた。

――そして比奈斗と一緒に次の街へと向かった。

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