第50話 のどかの実力

「消えている?」


山葵山は驚きを隠せないでした。

大食いバトルの対戦相手の、のどかの口元を見ていたら箸で口に運んだはずのカツ丼が消えたのだ。

本来食べ物を口に運んだら、口を開け食べ物が入ったら口を閉じ咀嚼し飲み込む。

この一連の動作がない。

口を開けた瞬間、咀嚼も無しに次の食べ物が運ばれている。

静かだ。

とても静かな食事だ。


「グァクブグゥッ!ビュチャビィクチャ!ゴフッ!」

うるさい。

この音は言わずもがな、『大きな』執事の咀嚼音だ。

現時点では圧倒的に負けている。

いやしかし、これは大食いバトルだ。

食べ方は関係ない。


ただ、その食べ方に反して大食いの方は互角の戦いを繰り広げている。

爆音と静寂山葵山は驚きを隠せないでした。

大食いバトルの対戦相手の、のどかの口元を見ていたら箸で口に運んだはずのカツ丼が消えたのだ。

本来食べ物を口に運んだら、口を開け食べ物が入ったら口を閉じ咀嚼し飲み込む。

この一連の動作がない。

口を開けた瞬間、咀嚼も無しに次の食べ物が運ばれている。

静かだ。

とても静かな食事だ。


「グァクブグゥッ!ビュチャビィクチャ!ゴフッ!」

うるさい。

この音は言わずもがな、『大きな』執事の咀嚼音だ。

現時点では圧倒的に負けている。

いやしかし、これは大食いバトルだ。

食べ方は関係ない。


ただ、その食べ方に反して大食いの方は互角の戦いを繰り広げている。

爆音と静寂。

こと大食いに関しては前者の方が有利?一般的?だと思うが、なぜこんなにも静かな咀嚼で互角に食べられているのか。

山葵山は両者の食べ方を注視する。


「ビャクビュギュゥッ!ゴフッ!ビュルチュチャビィチョクチュ!ゴフッ!」

うるさい!『大きな』執事の咀嚼音のうるささに山葵山は集中できない。

ん?だがその咀嚼音に、山葵山は違和感を感じた。

普通の人の食べ方と違う点がある。いや、もちろんその音の汚さと大きさ意外に。


「ビュチャビィクチャ!ゴフッ!」

これはっ!

「ゴフッ!」

『大きな』執事は咀嚼と「ゴフッ!」咀嚼の間に頻繁にげっぷを出している。

のどかの方は「ゴフッ!」もちろんげっぷなど一度もしていない。

『大きな』執事は「ゴフッ!」カツ丼と同量の空気を「ゴフッ!」食べている。

これは「ゴフッ!」食べるスピードにおいても「ゴフッ!」大食いという面においても、「ゴフッ!」印象においてもマイナスだ。

この5行の間に7回もげっぷしている。これはまずい。

ピンポン!


のどかが卓上のベルを押した。

これは、丼を食べ終わって次の定食を食べる準備ができたという合図だ。

『大きな』執事はまだ食べ終わってない。

のどかのテーブルには次の定食のロースかつ定食が運ばれてきた。

のどかは運ばれてきたロースかつ定食をなぜか食べずにじっと見つめている。

「お父さん、なんでカツ丼のつぎに同じカツ定食なの?」

お父さんと言われた大将は、

「こらのどか!お父さんって言うな!それにカツ丼はヒレかつで、定食はロースかつだから同じじゃない!」


この2人親子だったのか。

ピンポン!

『大きな』執事がカツ丼を食べ終わったようだ。


「ゴフッ!」

まだげっぷしている。

山葵山は先行きに暗雲が浮かぶのを感じた。

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