第34話 人間と動物の違い2
「じゃあ宗教が人間と動物の大きな違いってこと?」
「そうね、さときびちゃんはどう思う?」
「私は実は前から思っていたことがあるの。」
「前から思ってたこと?何なに?」
「まさか希美ちゃん、前に言ってた猫になりたいって話?」
「違うわよ!いつの話してるのよ。そうじゃなくて、人間と動物の違いは旅行に行くことだと思うの。」
「旅行に行く?」
「そう。動物って基本的に巣を作ってそこから動かないでしょ?人間も住居を持って定住はするけどさ。動物は巣をほったらかしにして旅行なんて行かないでしょう?でも人間は旅行に行ったこと一度くらいはあるんじゃないかしら?」
「そっか、確かにそうね。」
「でもでも~、渡り鳥さんとか、色んなとこ行ったりして旅行しているみたいなものじゃないの?」
「渡り鳥は、えさを求めて移動するって聞いたことあるわ。でも人間はお土産は買ってくるけど、食べ物を求めて旅行には行かないでしょう?」
「そっか、確かに動物が移動するときはえさや住居を求めて移動することが多い。でも人間は享楽で旅に出る。なるほど。」
「ポケモンでもそうでしょ?モンスターによって分布図があって、生息範囲以外で出てくることなんてない。」
「確かに!」
「なになに~?ポケモンの話?わたしアーボ好き~。」
「わぁ、懐かしいな。私も子供の頃やってたなぁ。」
「ポケモンは素晴らしいゲームよ。」
「そうだよね~。わたしニャースも好き~。」
「でもポケモンの中に、各地を移動するモンスターいなかった?」
「伝説のポケモンね。確かに彼らはえさを求めて移動してるんじゃないわね。ただ、人間のような享楽の移動ではなく、使命を持った移動ね。人間と動物の間、捉え方によっては人間を超えたものかもね。」
「使命を持った移動って、さっきの宗教的なことと同じ感じしない。享楽の旅行ではないけど、えさを求めた移動ではないし。」
「確かに、ポケモンの中には崇められているポケモンもいるわね。でもそれって崇めてるのは人間の方じゃない?ポケモンはただ生きてるだけでさ。」
「でもでも~、伝説のポケモンっておつきの人みたいなポケモンいたりしない?」
「ポケモンの中でも信仰心がある者もいる、か。」
「ニャースは人間の言葉を話すよ~。」
「中には人間の頭の中に直接語りかけるポケモンもいたよね、たしか。」
「いたね、そんなの。」
「なんかだんだん思い出してきた!なんか旅行じゃないけど修行の旅に出てるポケモンもいなかったっけ?」
「となると、明確な違いってどうなるの?」
「もう分かんなくなっちゃったよ~。」
「ちょっと待って。」
「どうしたの?さときびちゃん。」
「いや、人間と動物の違いの話をしてるんだよね?」
「うん、そうだよ。」
「途中から、人間とポケモンの違いの話になってない?」
「あ、」
「いったんポケモンから離れましょう。」
「え~、もう終わり~?もっと話そうよー。わたしドガースとかベトベターの話とかしたいよぅ。」
「さっきから聞いてれば、好きなポケモンがロケット団のポケモンばっかじゃない!心配になるわ。」
「となると、信仰心と旅行っていうのが人間と動物の違いってことかな?。」
「多分他にも考えてみればありそうだけどね。まぁそれは当日の討論会で考えれば良いんじゃないかしら。」
「そうだね、ありがとう!旅行って言うのは頭に浮かばなかったから助かったよ。確かに信仰心って動物の頭の中までは分からないから確実にないって言いきれないよね。旅行の方が私の中でしっくりきたよ!」
「それは良かった。でもポケモンの話には気を付けないとね。」
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