ひとつ屋根の下。
恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界
ひとつ屋根の下。
今はあるのは、咲き終え散ったあとだけ。
私は宙ぶらりんの自分の前にいる。
やっとなのかと、安堵の息を吐く。
吐くものなどない。いや、息がない。
満足に生きれたのかと省みる。
いや。
それなら、今の私は居ないはずだから。
自身の顔を見上げる。
酷い。
苦しそうな顔だ。醜い顔だ。
何故、泣いているのだろう。
生きにくい現実から離れて、清々したんじゃないのか。救われたんじゃないのか。
……、あぁ……。
私は、自身のことが嫌いだ。
周りに追いつこうとした私自身が、愛されている私自身が。
だから、なってしまった。
自身を愛して、希望があったから。
泣いた。
酷く、泣いた。
お終いの私に。終わった自身と。
ひとつ屋根の下。 恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界 @Nyutaro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます