ひとつ屋根の下。

恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界

ひとつ屋根の下。

 今はあるのは、咲き終え散ったあとだけ。


 私は宙ぶらりんの自分の前にいる。

 やっとなのかと、安堵の息を吐く。

 吐くものなどない。いや、息がない。


 満足に生きれたのかと省みる。

 いや。

 それなら、今の私は居ないはずだから。

 

 自身の顔を見上げる。

 酷い。

 苦しそうな顔だ。醜い顔だ。


 何故、泣いているのだろう。

 生きにくい現実から離れて、清々したんじゃないのか。救われたんじゃないのか。

 

 ……、あぁ……。


 私は、自身のことが嫌いだ。

 周りに追いつこうとした私自身が、愛されている私自身が。


 だから、なってしまった。

 自身を愛して、希望があったから。



 泣いた。

 酷く、泣いた。

 お終いの私に。終わった自身と。

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ひとつ屋根の下。 恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界 @Nyutaro

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