第2話 本当に私?
「っえ...?」
(何、これ...??)
信じられないと思うが、私の左目に花が咲いているのだ。それも、何と鮮やかなオレンジ色の花。...形状からして菊だろうか。
オレンジ色の菊なんて初めて見た、なんて
感動している場合では無い。恐る恐る花に触れてみる。
カサッ カサッ
水分が少なく、ドライフラワーの様だ。しかしどこか光沢感もある。そして、しっかりと指で触れられた感触がある。まるで自分の体に寄生されているみたいで少し気味が悪い。
いや、本当は目が覚めた時から違和感は感じていた。左目だけ真っ暗な状態で、視力は無いに
等しかった。その時は、怪我をしているのだろうと思い、あまり無闇に触らなかったのだが、
どうやらその判断は間違っていた様だ。
(でも...収穫もあった。)
鏡に反射して私の目覚めた位置からでは見えなかったであろう扉を発見した。
ペタペタペタペタ
鏡に背を向け、反対方向にある扉へ向かう。
ギギッ ガチャッ
少し錆びていた割に鉄製のドアノブは案外すんなりと回った。いざ、部屋の外へ。
...というところで踏みとどまる。
(あれ、部屋の外って安全なのかな...)
自分自身目から花が咲いているし、もっと
恐ろしい怪物が外に居るとしたら...?
幸運なことに、部屋の中には私以外の生き物の気配を感じない。
(...もう少し部屋を探索してみても良いかもしれない、うん。そうしよう...うん)
そう決意し、ドアノブから手を離そうとした。
その瞬間、部屋の外側から勢い良くドアノブが
回された_____
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