黄葉降る涼なる風にあらがいて陽に追い縋る金色の蝶


黄葉もみじ降る 涼なる風にあらがいて

 に追い縋る金色こんじきの蝶』


「秋、夕暮れ時の散歩。

 途中で立ち止まったのは、風に流れていく黄葉が綺麗だったから。


 しばらく眺めているうちに、葉に紛れて蝶が飛んでいることに、はっと気づいた。


 黄金の翅を羽ばたかせ、その場にとどまるように飛んでいる蝶。どうしてか……もう取り戻せないものに、必死に追い縋っているように見えた。


 その姿は、少しだけ哀れで、まぶしかった」


※拙作『詩・短歌集「千年紫」』より。

 推敲し、短いストーリーを添えました。

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