船出後の英語のノート赤いのの字で結ばれたイニシャルふたつ


『船出後の英語のノート

 赤いのの字で結ばれたイニシャルふたつ』


「やっばい……英語の時間、ずっと寝てた! しかも赤ペン握ったままだったから、あーあ、ノートにわけわかんない線がいくつも……ん?


 この、『の』の字に見える線。上の、ちょっとはみ出した片端は、俺の名前のイニシャルをさしてて……下のもう片端は、あの子の名前のイニシャルをさしてるように見える。


 まるで、赤い糸で繋がってるみたいで……


 あー、顔、あっつ。

 けど。

 ……ノート貸してって、頼んでみよっかな?


 真面目で気の強いあの子のことだから、『また寝てたの!?』って呆れるんだろうけど。それでも……せっかく同じクラスになれたんだし。なるべく沢山、話、したいんだよな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る