オモイメグリテ【第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト参加作品】

紫波すい

夜明けまえ紫苑一輪波に伏す海をこころと喩えたひとへ


『夜明けまえ 紫苑シオン一輪 波に伏す

 海をこころと喩えたひとへ』


「紫苑の花言葉のひとつ『君を忘れない』。


 誰よりも繊細だった君は、長い夜があけないうちに、遠くへいってしまった。


 君はいつか、海を『こころ』のようだと言ったね。だから、静かな波の寄せては返す、夜明け前のこの海に、溶け込んだ君のこころへと、紫苑を一輪、届けてもらおう。


 君にとって、君は取るに足らない存在だった?

 でも違う。僕にとっては、違う。


 生涯、君を忘れない。」



※拙作『詩・短歌集「千年紫」』より。

 推敲し、短いストーリーを添えました。


※今作につきましては、大和田よつあし様からあたたかいご意見・ご教授を賜り、推敲した結果、下記より改稿するに至りました。


 改稿前→

『夜明けまえ 海をこころと喩えたひとへ

 波にゆだねる紫苑一輪』


 この場を借りてお礼を申し上げます。

 大和田よつあし様、誠にありがとうございました。

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