第11話 宇宙人が抱く現代人への疑問にお答えするコーナー!その2

 はい、じゃあ引き続き『文化応答』いきます!


 次は、ネアンデルタール人さん。お! 過去の地球の方からのお便りですね。


「ダス・マンさんこんばんは」

 こんばんは~。


「過去から楽しく聞かせてもらってます」

 ありがと~。


「質問です。どうして現代の人は、好きな人にキスしたくなるのでしょうか」

 やっぱ本能ちゃうの~?

「どうせダス・マンさんのことだから、短絡的に本能とか言うんでしょうが、そういうのが聞きたいんじゃありません」

 すいませんでした。

「もっとロマンチックな答えを教えてください。じゃないとあなたたちの先祖を根絶やしにしますよ」

 怖いわ! 人類の存亡かかってるやん!


 いや〜なんやろ。難しいな〜。


 やばい! なんか言わな! ちょっとネアンデルタール人さん! まだ石器持たんといて! 一回置いて!


 わかったあれや! 口が出入り口やからやって!


 まず口が入り口なんはなんとなくわかるやん? ご飯食べるから。

 何かを取り込むってなったら口やわ。


 じゃあ出口はどういうことでしょう。別に飲み過ぎて吐くとかちゃうで? ロマンチックやないと人類滅ぼされるからな!


 それはな~、言葉が出るところってことや。言葉には魂がこもってる。


 やから口は出口でもあるんや。


 そして放送作家さん! 俺はこれから棲み分けるから! よく聞いといて!


 入口と出口はそれぞれ、あなたの魂が欲しいってことと、あなたに魂を受け取って欲しいってことを意味してる。


 キスには、そうやな~、だいたいそれが2:3ぐらいで混ざってるんちゃうかな! 好きな人とは一つになりたいもんやから、そういうことや!


 どう? 俺人類救ったんちゃう?! みんな崇めて! 


 じゃあこの勢いで次行きましょう!


 お次は、火星のテラファーマーさんからの質問です!


「こんばんは、ダス・マンさん」

 どうも~。別に様呼びでもええねんで~。


「舞い上がっているところ失礼します」

 なんでわかったんや! この募集、昨日が締め切りやったのに!

 

「どうして現代の人は、不完全であること、わからないこと、正しくないことを否定するのでしょうか。人間が全知全能な生き物だとでも思っているのでしょうか。ダス・マンさん、代表してお答えください」

 なんか、浮かれてすいませんでした。


 たしかになんでなんやろ~。完全と不完全、知と無知、正しさと過ち。なんかそれ以外にも、陽と陰、光と闇、強さと弱さ、美と醜とか、色々と間に壁を感じることが多いとは思うわ~。


 さっき棲み分けるのは支配してると思いたいからって言ったけど、それは人間が弱いってことを思い知らされたからちゃうかな~。


 昔はさ、発展してる途中やったから無限の可能性を感じれてたやん。やけど、現代はこれだけ技術が発達したのに、まだまだ未知の脅威に翻弄されるわ、情報の波に飲み込まれるわで、成長が頭打ちになってきたのに弱いことを突きつけられたやん。


 やから怖いんやと思う。わかりやすいもの以外の全てが。暗闇が怖いから、ついついわかりやすいものの中に隠れようとしてまうんちゃう? 放送作家さん聞いた? 棲み分けるのはしゃ~ないねんて。やから私は浮かれさせてもらいます!


 まあでも、わかりやすいもの以外を否定すんのはやめなあかんよな~。気をつけますわ!


 じゃあ最後行こか!


 デス・スターウォーズのダーク・ベイカーさんからですね! お! 最後は人工の星からですね! どんな疑問があるんでしょうか。


「ダス・マンさん、こんばんは」

 はいこんばんは~。


「いつも楽しみに聞いていたので、今日で最終回なのが残念です」

 ちょっと! 勝手に終わらせんといて! 俺の戦いはまだ始まったばっかりやから!


「ダス・マンさん、聞いて下さい。どうして現代の人々は、もうすぐ我々に攻め滅ぼされるというのに、そんなにのんびりしてるんでしょうか」

 え? どういうこと?


「私が今から向かいますので、直接教えてください」

 え? 冗談やんな?


 え? なんか今すごい音したけど……。


 え? うっすら音楽聞こえてくんねんけど……。なんかあの人のテーマ曲っぽいけど……。


 あの曲って編集でつけたわけじゃなくて、あの人の体から直接流れてたん?!


 って、放送作家さん! 体真っ二つになってるやん! 


 やばい逃げな!


 ガシャン!


 


 

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