第12話 用意周到な研究者の記者会見
「あなたの医療用ナノマシンを使用した患者の多くが相次いでゾンビ化したことについて、どのようにお考えですか?」
現在改良中です。
「ゾンビになってしまった方への謝罪はないんですか?」
それは人に戻してからご本人に行います。
「そんなことができるんですか?」
個別時間転移装置を人に使用できるようになれば、可能です。
「それはいつまでかかるんですか? それまでゾンビになった方の命は保つんですか?」
もう少しで完成すると思います。ゾンビになった方については、既に亡くなっているので、これ以上死ぬことはありません。
「ナノマシンについてですが、使用した方の多くがゾンビ化してしまったということは、ほとんどデータは取れてないんじゃないですか?」
データはすべて取れています。
「ゾンビと会話でもできないと、不可能じゃないですか?」
生きた人間の言葉が話せるゾンビの情報屋がいるので、その方に依頼してゾンビになった方々から聞き出しました。
「でも魂は別のところにいますよね? それなら不完全なデータじゃないんですか?」
死神の情報屋がいるので、その方に依頼してゾンビになった方々の魂から聞き出しました。
「ナノマシンはどうなったんですか? 生命活動が停止した肉体から取り出すのは不可能ですよね?」
いいえ、個別時間転移装置があるので、すべて回収できています。
「だったら改良は今どの段階まで進んでるんですか?」
任意のタイミングでゾンビ化させられる機能を搭載した段階です。
「そんな危ないもの何に使うつもりですか? 今はどこにあるんですか?」
何に使うかは、すぐにわかると思います。なぜなら、それらは今あなたたちの体の中にあるのですから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます