第26話 そんなことより運命ですぞ
「ん~? フェータンって私と契約したっけ?」
「しておりませんぞ。わたくしめは、あゆみ殿の専属パートナーではありますが、お友達ですからな。服従の誓いはふさわしくないと思ったのです」
「あいまいだな。おまえ、ひょっとして今、わざとあゆみを危険にさらさなかったか?」
フェータンは「おろろ……」と、悲しげにうなだれた。
「ちょっとトウヤ、フェータンをいじめないでよ!」
「そうは言うが、こいつのレベルは500超だぞ? その気になればこの辺りのモンスターは瞬殺できるはずだ。そのフェータンがおまえを危険にさらしたのはおかしい」
言われてみればそうだけどねえ……
でも不意の不注意とか、あるでしょ?
その旨を私がトウヤに伝えると、トウヤは苦い顔をした。
「まあ、おまえが構わないなら俺が気にする話でもないがな」
「そうそう! それよりもトウヤ、助けてくれてありがとうね!」
「礼ならガルムに言え、俺のモンスターだ」
大きな猟犬さんに「ありがとうねー」と伝えると、「お気になさらず」と会釈してくれた。
紳士よねえ、俺様な感じのトウヤには見習ってほしいわ。
そんな私たちのやりとりを見て、フェータンがにこにこしている。
「よきかなよきかな、やはり男女の運命とは尊いものですぞ」
何の話だろ? 私が首をかしげて、トウヤは微妙な表情をする。
レッドちゃんを抱きかかえているアサカ先輩が聞こえないくらいの音量で笑った。
「フェータンちゃんがやりたかったこと、なんとなく、私はわかるけどねえ……」
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