第23話 わたくしめはあゆみ殿の……
「いぇい、いぇい☆彡 わたくしめはただのアークアドミラルバードですな」
「ふーん……ていうか今、フェータンなにしたの? いきなりモンスターが逃げていったんだけど?」
テリトリーに侵入されて怒り心頭! って感じでやってきたモンスターのみなさんだったけど、フェータンが挨拶したら速攻で逃げていったよね。
おかしくない? さすがにおかしいよね?
「それはわたくしめが姿を変えたからですな」
「姿? どゆこと?」
「目に見える姿です。わたくしめは青くて大きい鳥に見えるかもしれませんし、可愛い女の子に見えるのかもしれませんし……ひょっとしたら、もっとおそろしい怪物に見えるのかもしれませんぞ。わたくしめは見る者によって違う姿を認識していただくことができるのですな」
「??? え、カメレオンみたいに迷彩で視覚をだませるってこと?」
「似たようなものですなあ。さっきの半魚人のみなさんには、ちょっと怖い姿をお見せして挨拶させていただきました。誰しも命は惜しいですから、効果てきめんですぞ!」
命が惜しくなるほど怖いすがたってどんなのかな?
ちょっと見てみたいような、怖そうだから遠慮したいような……
しかしここでひとつ素朴な疑問が浮かび上がる。
「ならさ、けっきょくフェータンって本当はどんな姿なの?」
フェータンは答えなかった。
ただ、どこか心さびしげに微笑んだ。
「わたくしは、あゆみ殿のお友達ですな。今はそれでよいのです」
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